産業育成支援特別委員会にて神戸市・大阪市を視察訪問いたしました。
9月3日から5日までの2泊3日で静岡県議会産業育成支援特別委員会の視察が行われました。
3日、私はJR熱海駅8時48分発の新幹線に乗り、各委員の皆さんと随行職員の皆さんとは新幹線内で合流し、JR相生駅に12時56分に到着、車中にて昼食を済ませ、バスに移動し初日の視察目的である「大型放射光施設スプリングエイト」を視察いたしました。
SPring-8(スプリングエイト)は、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。SPring-8では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。
SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。
SPring-8は国内外の産学官の研究者等に開かれた共同利用施設であり、平成9年より放射光を大学、公的研究機関や企業等のユーザーに提供しています。課題申請などの手続きを行い、採択されれば、誰でも利用することができます。
SPring-8の施設者は独立行政法人理化学研究所(理研)であり、SPring-8の運転・維持管理、並びに利用促進業務を公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)が行っています。http://www.spring8.or.jp/ja/about_us/whats_sp8/faq/
加速された高エネルギー電子ビームから発生する放射光を利用して実験・研究する施設です。利用分野と研究例は以下のようになります。
物質科学への利用:先端材料の原子・電子の構造、極端条件下の材料物性、新物質創製、材料改質など
生命科学・医学への利用:タンパク質などの生命物質の立体構造解析(→ 生命のメカニズムの研究、医薬品開発など)、および屈折コントラスト映像法による生体試料の高解像度イメージングなど
環境科学への応用:環境浄化用触媒の分析、生体試料中の環境汚染微量元素の分析など
地球科学・宇宙科学への利用:地球深部物質の構造と状態解析、隕石・宇宙塵の構造解析など
産業利用:産業界における材料評価やタンパク質の立体構造解析などに活用
つまり、もう少しわかりやすく説明すると「SPring-8」と呼ばれる施設群は、さまざまな物質の特性を解析するために作られたもので、例えば、レントゲン撮影技術はその発見以来、「いままで見られなかったモノを見られるようにする」ことで病気の治療や研究に多大な貢献をしてきましたが、「SPring-8」は、医療用レントゲンの1000万倍以上という強力なX線などを生み出すことで「見られなかったモノを見られるように」してタンパク質や鉱物などの解析を行っています。
ざっくりとまとめると、一般的な施設では発生させることができない強力なX線を作り出せるのがこの施設の強みで、このX線を利用していろいろな機関がそれぞれのビジネスや科学研究に必要な実験を行っているという訳です。
国(文部科学省)の管轄下にある施設になります。独立行政法人理化学研究所が施設の所有者であり、公益財団法人高輝度光科学研究センターが運転・管理をしています。
(1-3)SPring-8とはどの施設をいうのですか?
SPring-8 は、線型加速器・シンクロトロン・蓄積リング・ビームラインおよびそれらの付属施設を含んだ全体の総称ですが、狭い意味では蓄積リングとビームラインだけをさすこともあります。
(1-4)SPring-8やSACLAでは何人くらい働いているの?
平成24年1月現在で、SPring-8とSACLAを併せて1,000名を越える職員が働いています。各施設が稼働している期間中は、職員の他に毎日250人ほどの利用者(ユーザー)が実験しています。
(1-5)どんな人、グループがSPring-8を利用しているのですか? 外国の利用者もありますか?
国内の国公私立大学・研究機関・民間企業および海外の研究所・大学などの研究者です。
(1-6)使用の申し込みはどうすればよいのですか?
毎年2回、研究課題を募集しますので、それに応募し