熱海市議会の私、熱海市民クラブ橋本と明日の熱海金森議員、新野議員、日本共産党高井議員、新政熱海山田議員の5名で熱海市議会事務局職員1名に随行していただき合同視察調査を実施致しましたので、その内容の要旨をご報告いたします。
○会派合同(明日の熱海・熱海市民クラブ・日本共産党・新政熱海)行政調査
1 . 日時 令和7年1月2 2日(水) ~ 1月2 4日(金)
- 調査先
①東広島市(訪問場所:東広島市役所)
②下関市(訪問場所:下関市役所)
PART 1
まず、初日は東広島市の空き家バンクについての調査です。
令和7年1月22日(水)午後1時30分より
①東広島市
場所:東広島市役所本館9階 第1委員会室
司会進行 広島市議会事務局局次長 金築由美 様
歓迎ご挨拶 東広島市議会議長 奥谷求 様
御礼ご挨拶 熱海市議会 金森和道副議長
・「東広島市空き家バンク」について
広島市都市部住宅課課長 瀬野健士 様
広島市都市部住宅課計画調整係長 福間勉 様
・「一般社団法人広島空き家流通促進ネットワ-クの取組」について
一般社団法人広島空き家流通促進ネットワーク 代表理事 蝿田康一 様
一般社団法人広島空き家流通促進ネットワーク 理事・地域コーディネーター 堀江里香 様
【東広島市概要】
東広島市は、昭和49 ( 1974 )年4月に西条・八本松・志和・高屋の4町の合併により、広島県内で1 2番目に誕生した市である。
長い歴史と伝統、恵まれた自然環境を背景に「賀茂学園都市建設」および「広島中央テクノボリス建設」の2大ブロジェクトを柱に、社会基盤や産業基盤の整備を進めてきた。
また、平成1 7 ( 2005 )年2月、黒瀬・福富・豊栄・河内・安芸津の5町との合併を経て、内陸部の山々や瀬戸内海の多島美を望む海岸線まで市域が広がり、歴史・文化等の多くの地域資源が加わった。
そして、令和6 ( 2024 )年4月には、市制施行50周年を迎えた。この間、官民の学術研究機関の集積や企業の立地も進むなど、全国でもその成長が注目される都市となっている。
※参考資料
【一般社団法人広島空き家流通促進ネットワ-ク】について
国土交通省が認定した「令和6年度空き家対策モデル事業」のうち、当該社団法人が運営する自治体組織連携型の民間版空き家バンクについて調査するもの。
具体的には、空き家の予防対策、空き家に関する相談対応、空き家の発生抑制に資する官民連携体制の構築等が実際にどのように行われているかについて、東広島市及び貴社団法人双方の立場からご教示願い、当市の施策推進の参考としたいと考えている。
〈当該社団法人の具体的な取組内容〉
①空き家のマッチングを実行できる地域拠点の開設
②移住希望者情報の収集・集積体制の強化
③空き家情報(空き家予備軍の情報含む)の収集・集積体制の強化
東広島市様への行政調査事前質問事項
「東広島市空き家バンクについて」
「一般社団法人広島空き家流通促進ネットワ-クの取組について」
【担当の方の説明 都市部住宅課様】
現在の人口19万6600人
面積635キロ平方メートル 熱海市の10倍の面積
人口は伸び続けているが、9町ある。増加しているのは2町のみ、5町は急速に過疎化している。
現在の空き家件数は、3,947件、平成28年の調査では3,760件だった。
人口減少地域の空き家率がかなり高い。
人口が増加している西条八本松高屋の中心部は空き家率低い。
市中心部は、人口が増えているので住宅需要がかなり高く、売却価格も高いため、不動産業者の仲介によって流通する。民間事業者に任せる。
逆に人口減少地域は価格低く、不動産業者も敬遠されがち、ここを市の空き家対策の重点にしている。
東広島市空き家バンク、運営平成29年から
方針は、不動産業者が使わない物件対象に、空き家バンクに空き家を売りたい方、と、空き家を欲しいと思っている利用者の方、相互の登録で、マッチングしていく形。
具体的に市が行っている業務は、空き家の物件登録とか買いたい方の利用登録の受付事務。あとは物件登録された情報のホームページへの掲載。売り手買い手の調整。現地の立会いをやっている。
市は宅地宅建取引業の免許は持っていない立会はするが交渉や契約は当事者間でしていただく。
空き家対策の補助金として、家財撤去支援、リフォーム支援、空き家等再生・活用支援がある
運営実績は、年間20件程度登録状況
空き家が欲しいと登録している方が、年間に100件以上ある多いとしては200件超える状況 物件が追い付いていない状況
物件増やせば移住定住増えるのではないかと考える
解体補助金がかなり多くなってきている
令和3年から20件近く、昨年度26件、今年度40件くらいの勢い
それでも令和6年から更に空き家対策強化、発生抑制のための空き家バンク事前登録今、空き家ではないが、将来空き家になるという物件を登録していただく
相続人に連絡取りやすくなり、相続人が処分しやすい環境ができるメリット
制度つくるだけではない、高齢者を対象としたセミナーの開催
高齢者の方のパソコン教室の後に空き家の話を聞いていただく
住民自治会協議会による空き家調査 LINEの通報
不動産業者の仲介をお断りさせていただいていたが、やはり、不動産の取引と言う事でプロが介在しないと当事者間も不安。今年度から空き家バンクに登録した物件の不動産業者の仲介をはじめた。田舎の物件は売買価格やすく仲介手数料も安い不動産業者も手を出しづらい。仲介して成約した場合には市から報奨金を売買で10万円、賃貸で5万円補助金を出すようにした。
放棄の場合行方不明の場合の対策も開始
令和5年度予算 24,789千円
令和6年度予算 36,795千円(対前年+48%)補正予算で4000万円超えている
地域の専門家との連携
NPO・専門科 民間ならではの自由な発想
個人情報については市が、連絡し、住民自治協議会と連携、それぞれの強みを生かした連携
登録したいけど遠くに住んでいてできないという方など、流通ネットワークサンとの連携 ネットワークさんが登録の支援をしている
失敗を恐れず、連携を強化していきたい
元市の職員の方が、流通ネットワークにいて、話しやすい状況、連携しやすい状況もある。
「一般社団法人広島空き家流通促進ネットワ-クの取組について」
専門業者が連携して、地域ぐるみでの空き家対策にチャレンジ
相続の関係があり、司法書士や行政書士等の専門事業者が連携しないと1個の案件が解決しない。ワンストップでその課題を解決できるように、ご協力いただいて出来た団体
○空き家解決すごろく「イエカツ」開発 空き家調査開始
データベース作成 空き家見学ツアー
2024空き家相談窓口設置
※主な財源は国土交通省:「令和6年度空き家対策モデル事業」採択+受託事業東広島市 安芸津から豊栄まで2時間かかる 広い面積
勉強会やセミナーを進めている
豊栄町に力入れて取り組んでいる 人口3000人満たない町
過疎進み高齢化率50% 300件くらいが空き家 赤瓦特徴 田んぼ多い
住民自治協議会という団体があり、簡単に言うと自治会の大きいやつ
小学校区をメドにつくっている 豊栄は過疎が進み、実際には小学校が1校しかない状況。この広さで1つしかないとどうにもならないので、6つの自治協議会に分かれて、市役所の組織ではなく、あくまで住民の為の組織
住民自治協議会とは一緒にすべて活動している 西条が拠点だが豊栄にも今拠点つくってる
何をしているかというと、売却が進まない これが課題
なんでか、、多くの場合が、緊急性ない、売却慌ててない放置されがち。300件のごく一部しか空き家ンバンクに登録されていない、探している人は多いが
いざ、前に進めようとしても、相続登記とか複雑、流通までの手続きが面倒
流通促進を活動のコアにした
空き家問題の意識付け そもそも問題と思っていない
自分や地域にとってもいいことにはならない話を気付いてもらう 第一歩
で、空き家データベース作成 集めただけだと、可視化に
いよいよ流通につなげる 情報発信 商品として見せる 現地ツアーおこなう
流れとしてはこういう感じ、背景は住民自治協議会さんと連携
ここから細かい取り組みの紹介
空き家解決すごろく「イエカツ」
相続で空き家が発生してから売却されるまでをすごろく形式で、遊びながら勉強と体験できるような感じ
どんなことが実際起こるのか人生ゲームのような感じで 生涯学習で活用できる
ホームページにも載せてますので活用してください
遺言書など事前にこういう風にしておくことなど話に出る
空き家調査は、マップとかを点で記していく。
地域の方だけだとしんどいので、私たちがサポート 不動産業の目線等でサポートとか
3番目 空き家見学ツアー 広島市に隣接しているので、あちらからもうちょっと自然と、、広島と西条の皆さん、小学校に上がる前の家族など
バスに乗り込んで、学校やスーパーの場所を紹介しつつ、工程には地域住民の方も帯同していただいている。地域のみなさんからの情報 例えば4時ごろになったら日が落ちるんよ とか、子供たちはこの道危ないからとか、あっち通るとか、実際の生活に即していろいろお話してもらう、交流をつくることで」、地域との縁づくり、正直中山間地域は全国いくらでもある。どうやってその中で、豊栄を選んでもらえるかなと、縁を持つこと、空き家ツアーで知り合った、おばあちゃんおるけん遊びに行こう
最初のきっかけになるのだと思った。ただの観光ツアーにならないように。縁を意識。
もうひとつはチャレンジだったが、空き家の事前登録制度というものをやっている
データベース作成し、思いのほか地域の連絡先が分からない、事前に連絡先抑えていきたいとなり、この課題につながった。お家つなぎ大作戦。住民自治協議会さんの名前をチラシに入れて、地元の問題として、連絡先登録していただく。私たちは専門家チームとして側面的支援をする。安心してこの取り組みに参加していただく。
「お家つなぎ大作戦」地域の方から、この名前もいただいた。事前登録制度というのがウケが悪かった。財産狙われているようでったのだと。確かに死ぬの待っとんかと。そうではなくて、今住んでる家を次につないでいくための事前準備。大事な家をほったらかしにしないように。地域と一緒に支える。一緒に考える。
遠方所有者とのオンライン打ち合わせをサポート。東京、関西の方いる。オンラインで話したいが、相手が得意でない方いる。電話メールだと状況が伝わらないことあった。首都圏の協力メンバーに実際に所有者さんと会って、パソコンここにセットするんでどうぞ話してくださいと用意する。オンラインの技術的なサポートした。
しっかり説明できるよう仕組化した。
空き家担当登録
デマンド交通
団体の位置づけ 個人の事から地域で一緒に取り組むことへ
「空き家は見える化が第一歩」
地域があって、行政があって、私たちは中間支援の役割を意識してすり合わせを進めている。流通に向けて自分たちが前向きになってもらう支援
取りこぼしのないマッチング 空き家を探すならこのまちへ
雰囲気づくり
市役所の広報信頼感がある 啓発連携 空き家バンク登録
こちらはこちらでデータベースつくって
市役所は市役所で空き家バンクデータつくっている
何が違うかというと 行政は持ち主が載せてと、情報整理して
地域版空き家バンクは、所有者の意識関係なく、空いてますよねというところもリスト化している。ここは行政でなかなかできない動き
補助金とか行政のやるべき部分と民間のできることとうまくすみわけし、バランスよくやる。役割分担カチッとは決まらない。地域プレーヤーの役割大切。
【東広島市様への質問】
Q 1市内に特定空き家はどの程度存在しているか。またその予備段階である管理不全空き家はどの程度存在しているか。またそれぞれ固定資産税減額対象からは除外しているのか。
A 周囲に田畑多く、数は把握してない。危険な空きやすくない。特定空き家指定していない。
Q 2撤去について行政代執行は行っているか。行っている場合、土地・建物管理制度を活用しているか。
A したことがない。
Q 3市内中心市街地や観光地等を活用促進区域に指定して、たとえ住宅に用途が限られた区域でも店舗やカフェなどに転用できるよう用途変更は行っているか。
A 中心市街地に桜通りというのがあり、そこは観光の方の仕事として新しい店の出店を進めていて、空き家対策としては、人口減少地域の田舎暮らし希望の方の移住定住の空き家対策に特化
Q 4 空き家を活用した移住促進や各種利活用について、市役所やNPO、民間事業者等とどのような体制を取っているのか。
A 今日の説明のように、それぞれの役割分担しながら手探り状態ではあるが話し合いながら、、将来は空き家バンクに任せたいと思っている。いろいろチャレンジ
空き家の発生を未然に防ぐという観点で、市民への相談支援体制はどのように構築しているか。また、所有者への意識啓発、危機感の喚起はどのように行っているか。
A 隣の空き家から木が延びてきて、という相談年間70件あり、所有者特定して改善文書送る。啓発は2年に1回固定資産納税の際に空き家バンクの広報掲載し郵送。広報紙で空き家特集も載せている。セミナーにも予算。
Q 6本事業開始の経緯、実績(効果)、課題、委託(再委託)の有無を教えてほしい。
また、現時点における事業者の選定基準、評価基準、モニタリング体制、諸課題やメリット・デメリットを教えてほしい。
A 地域のデータベースつくれたことが大きな成果。次の段階が地域の拠点づくり。今後の課題は、運営も課題 自主的な動き委託はない。自治協議会さんとの協力。
Q 7本事業について、国や県からの補助金等を活用されているか。
空き家対策の補助金活用
Q 8本事業について、自治体がどこまで踏み込めるか立ち位置の難しさがあると考えるが、事業者と業務をどのようにすみ分け・分担しているか。
A説明の通り、個人の財産にどこまでかかわれるか。踏み込めるか。中間支援として。
個人でなく、地域の問題意識大切。
イエカツ 相続の流れ学べる それだけでなく、じつは、、、という声も聞けて良かった。
〈一般社団法人広島空き家流通促進ネットワ-ク様への質問〉
Q 1本来の商いと本事業とのすみ分けと、メリット・デメリットを教えてほしい。
A,実際に話してみたらわかること多い。登録はできないけど、登録までの支援はいくらでもできる。
Q 2他の事業者への再委託や下請け業務などは行っているか。
【令和6年12月】
「熱海市の空き家対策について(令和6年度)」
1予防対策
11月9日
12月1日 静岡県との共催で「我が家の就活セミナー」を開催
町内会への出前講座「空家と相続問題について」を開催
2管理・利活用に関する取組
①静岡県宅建協会と協定を締結し、売買の意思がある方に同協会が運営する空き家バンクの紹介を行っている。
※ R6. 12月現在の熱海市の物件登録売却9 3件、賃貸3 7件
②空き家問題解決のための総合サービス「アキソル」を運営する「株ジチタイアド(福岡市)」と令和4年8月1日に協定を締結し、空き家に関する総合相談窓口を設置している。「アキソル」は、管理や相続に関する相談や空家バンク等で売却が難しい物件等の流通支援を実施。
3リフォ-ム補助
熱海市まちづくり課では実施していない。
※住宅・店舗のリフォーム補助(熱海商工会議所)を実施。産業振興室の支援有。
※結婚新生活支援補助金(賃借費用、住宅取得費用、リフォーム費用、引っ越し費用等) 担当:子育て支援室
※移住・就業支援金(東京圏から移住して就職、又は起業した方への支援金) 担当:産業支援室
4空家等実態調査
空家の件数や建物の状態の把握のため、水道利用がなく、住民登録がない物件の全件調査を実施。
今回、東広島市様、並びに広島空き家流通促進ネットワ-ク様にご対応いただき、ご丁寧にご説明いただくことができました。この貴重なお話を今後の本市の空き家政策に活かしていけたらと思います。今回の視察に際し、東広島市議会事務局の皆様にも大変お世話になりました。この場からも心から御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。