9月19日午前10時30分より県庁本館本会議場において静岡県議会9月定例会が始まりました。
知事から上程議案の説明がおこなわれ、その後、「浜岡原子力発電所の再稼働の是非を問う住民投票条例(案)」の請求代表者5人による意見陳述がありました。
知事の提案説明では、はじめに「地震・津波対策」、「総合防災訓練について」、「災害廃棄物の広域処理について」、「内陸フロンティアを拓く取り組み」が説明され、続いて県政の諸課題として「エネルギーの地産地消の推進について」、「本県経済について」、「茶業の振興について」、「『浜名湖花博10周年記念事業』と『全国都市緑化フェア』の同時開催について」、富士山の世界文化遺産登録について、「富士山空港について」、「地域外交について」、「全国育樹祭開催に向けた取り組みについて」、「地域医療再生に向けた取り組みについて」、「健康寿命日本一ついて」、引き続いて、9月補正予算について、当初予算後の事情変化により必要となった災害対策や国基金を活用した事業のほか、東日本大震災の復興モデルとなる災害に強い地域作りを推進するための経費などについて編成し、一般会計補正予算規模は149億7400万円で、これを加えた本年度予算額の累計は、1兆1,457億4,800万円となります。
その後は予算以外の議案の主なもの議案第118号から132号までの説明がなされ、第133号の「中部電力浜岡原子力発電所の再稼働の是非を問う住民投票条例」について知事の意見が述べられました。
①電力は、国民生活や経済活動に欠かせないもので、原発の稼働は、エネルギー政策、電力の安定供給、経済性、温暖化対策などを総合的に考慮する必要がある。
②電力会社の原発依存度は50%以上から10%強と違う。浜岡原発は全面停止中だが、幸い中部電力の依存度は全国最低であり、電力供給は余力を持って推移している。
③私は、浜岡原発は安全性の確保が大前提で、安全性が確保されない限り、再稼働はあり得ないと再三申し上げてきた。
④さらにオフサイトセンターの立地にも深刻な問題があり、停止していても、使用済み核燃料の処理の見通しがつかない現状では、その処理方法が確立するまでは安全性は十分でないとも申し上げてきた。
⑤署名の数は請求に必要な法定数を大きく上回った。これは県民投票を通じて再稼働の是非について意思を表明し、その結果を県政に直接反映させたいという多くの県民の方の思いの表れであり、重く受け止める。
⑥直接請求は、間接民主主義を補完し、住民自治を図るための重要な手段。再稼働に関して、県民一人ひとりが自らの意思を表明する機会を逸してしまうことは妥当ではない。
⑦条例の実施には市町の協力が不可欠。それを期待して賛意を表するもの。
⑧条例案には問題点が多数ある。このように不備であるのは誠に遺憾。作成に関わった者の責任は小さくない。しかし、それをもって、署名された県民の皆様のお気持ちに応えないのは、私の本意とするところではない。
⑨なにとぞ、これらの問題点を適切に修正して、実施可能な条例案になるように磨いていただき、県民投票が適正かつ円滑に実施できる方向で、ご議論賜りたい。
といったもので、つまり知事は、再稼働に関して、県民一人ひとりが自らの意思を表明する機会を逸してしまうことは妥当ではないとしてこの案に賛意を示して、議会で実施可能な条例案になるように適切に修正してほしいという内容でした。
この知事の付された意見と請求代表者5人意見陳述をよく検討し、会派で議論を交わし結論へと進んでいきます。