平成26年1月15日~17日の2泊3日の行程で静岡県議会産業委員会の県外視察を行いました。
竹内委員長はじめ、委員は全員で10名、当局の随行として岩城徹雄管理局長、黒田昌信企業局次長、田中伸弘部付主幹、森岡克明局付主幹、そして、議会事務局から神谷健一主査、大村圭子主査にご同行いただき、16名の一行となりました。
今回の視察地は沖縄那覇です。初日の沖縄は、ここが沖縄とは思えないほど寒く、暖かいことを想定し上着を持ってこない委員が多かったのですが、静岡と変わらない感じで少々誤算でした。
1 ANA那覇空港貨物ターミナル
さて、那覇空港に到着し、まずはじめに私達の産業委員会と企画文化観光委員会と合同で「ANA那覇空港貨物ターミナル」の視察を実施しました。
視察の目的は、全日本空輸㈱那覇空港貨物ターミナルは、アジアの中心に位置する那覇の地理的優位性と那覇空港の24時間稼働の特性を活かし、日本各地とアジアの主要市場を短時間で結ぶ航空貨物基地です。
旧国内線ターミナル跡地に平成21年10月に完成し、敷地面積69,000㎡、平成23年の取扱貨物量は成田、関西空港に次ぐ第3位に達しているこの国際貨物物流基地の稼働状況を視察しました。
①地理的優位性(東アジアの主要都市へ4時間圏内)
②24時間運用体制(ダイヤ設置自由度が高い)
③羽田空港に次ぐ国内第2位のネットワーク(33拠点)
④航空後背地の存在(自由貿易地域、那覇港)
アジアへ向けて広がる可能性(ANAハブ事業)
日本を含むアジアの各主要都市から那覇空港に一旦集約された貨物を短時間で効率的に積み替え、目的地へスピーディーに配送する。
ご説明は、ANA貨物事業室沖縄販売部谷村正樹部長様と角田健文リーダー様にお願いしました。
2007年、沖縄県が推進する「国際物流拠点形成構想」とANAの戦略が一致し、那覇空港に国際物流拠点を作ることを決定しました。
深夜21時~25時に国内外の空港を出発した便が、深夜1時~5時台に那覇空港に到着。夜中のうちに貨物ターミナルで荷物を積み替えて、早朝4時~7時台に出発。国内外の空港に朝のうちに到着するという物流システムを構築しました。
この機能を活かして、静岡県産いちごやみかん、また、北海道の蟹などを台湾など東南アジア市場に輸出する取り組みが進められています。
また、2013年2月から施設内にヤマト運輸が入居。海外向けクール宅急便がスタートし、現在、香港の富裕層向けに、楽天市場を通して、生鮮食料品の宅配サービスも展開しているとのことでした。
検疫手続きなどの理由により、現在は香港だけのようですが、今後は台湾、バンコク、上海などへの輸出も視野に入れているとのことでした。
説明後の主な質疑応答
Q 直接乗り入れのない地域への貨物配送はどのようにしているのか。
A 日本国外の空港を結ぶ路線の許可は持っていないため、アライアンス提携をし
て積み替えを行い、配送を行っている。
Q 生鮮食品配送のネックになるのが検疫時間である。どのような対策をとってい
るか。
A 香港は比較的検疫がゆるい傾向にある。現在は放射能検査の要求が多いが、これを日本国内で検査する方法がとれないか調整を行っている。
Q コスト的にはどのくらいの商品ならペイするのか。
A やはり富裕層向けの高級品となる。例を挙げればカニ1パイ5,6千円から1
万円程度となってしまう。
現在沖縄県でコンテナ1個を借り上げ、そのコンテナを使って県産品を送って
いる。静岡県のイチゴもこのコンテナを使って送っている。
この事業の今後の展開が楽しみです。物流の新たな時代の幕開けを感じました。