平成23年4月15日伊豆山神社例大祭が行われました。
今回は、東日本大震災の状況を鑑み、神幸祭を中止し自粛した形の例大祭となりました。
神輿のおくだりは行われなかったのが残念でしたが、社殿の祭儀では恒例の神子舞や実朝の舞が行われました。
春一番のような時折強い風が吹く中でしたが、天候にも恵まれ暖かい陽気でした。
この伊豆山神社は、頼朝と政子が忍び逢い結ばれた事から縁結びの神として多くの参詣者を集めています。
鎌倉の尼将軍と名をはせた北条政子は、伊豆韮山の小豪族の娘。伊豆韮山の蛭ヶ小島に島流しにあった源頼朝と恋に落ち、お互い結ばれることを望みました。
しかし、政子の父、北条時政はこの結婚に大反対。平家全盛の折、源氏の流人頼朝の前途は絶望的であり、また、源氏との縁組は北条家にとって命取りになると考えたからです。時政は、政子を伊豆国の目代山木判官平兼隆に嫁がせることを決めてしまったのでした。
婚礼の夜、政子は宴席を抜け出しました。日金七里の山路を越えて、伊豆山へ逃れ、足川の地にかくれ住みました。そして、阿闍梨覚淵(あじゃりかくえん)の坊にいた頼朝は部下の知らせをうけ、政子と劇的な対面をしたのでした。その時、2人が出会った場所が逢初橋(あいぞめばし)の上と言われています。
伊豆山は、ひたむきな愛を育んだ頼朝と政子の歴史ロマンの地なのです。
来年は自粛せずに熱海の名声をさらに高めた伊豆山神社の例大祭が催行できることをお祈りしたいと思います。