熱海市議会令和6年9月定例会が始まりました。
少し長いのですが、今議会に提出された議案に対する提案理由の説明です。
【提案理由の説明】
(齊藤栄熱海市長) おはようございます。
ただ今より、本市議会定例会に上程いたしました議案について、説明させていただきます。
本定例会におきまして、ご審議をお願いします案件は、予算案4件、条例案5件、一般案件5件、認定案件8件及び報告案件3件の合計25案件であり、議員各位並びに市民の皆様のご理解をいただきたいと存じます。
さて、全国的に大きな被害をもたらした台風10号は、その影響により本市でも8月29日から雨が降り始め、累計降雨量は観測史上最大となりました。本市では29日に災害対策本部を開設し、情報収集や応急対応を実施してまいりました。幸いにも人的被害はありませんでしたが、市内各所で倒木や土砂崩れ、河川の氾濫が発生し、現在も通行止めとなっている道路がございます。さらに、公共施設への被害もあり、市民、観光客の皆様にはご不便をお掛けいたしますが、早急な復旧に取り組んでまいりますので、ご理解ご協力をお願いいたします。
一方で、今年の夏の繁忙期は台風7号の接近に伴う 交通機関の影響を受けたお盆の時期を除き、好天に恵まれ多くの観光客の皆様をお迎えすることができました。多くのお客様をお迎えするに際し、日々、市民の皆様、そして産業界の皆様に、ご尽力を頂いていることに対し深く感謝を申し上げます。入湯税につきましては、前年同月比での課税人員が31か月連続で増加をしております。しかし、令和元年同月との比較では約90パーセントにとどまっている状況であり、コロナ禍明けのインバウンド需要は回復しておりますが、物価高騰の影響等もあり改善傾向ではあるものの、コロナ禍前の水準をなかなか超えられない状況であります。
また、8月8日には日向灘にてマグニチュード7.1の地震が発生いたしました。この地震の発生に伴って、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられたことから、国は南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表いたしました。幸いにも、今回は混乱も被害もありませんでしたが、市民に対する日ごろからの備えの周知や防災訓練の充実、観光客への対応も重要であると考えます。今後も大規模地震の発生の可能性がなくなるわけではありません。引き続き、水や食料の備蓄、避難経路、地震発生時の家族との連絡方法などの確認をするとともに、正確な情報と知識のもと、冷静かつ適切に対応していただくよう、改めてご理解、ご協力をお願いいたします。
伊豆山地区の復旧・復興の状況につきましては、昨年に引き続き災害対策基本法第63条警戒区域に指定されていた被災地区を7つのエリアに分け、地区ごとに逢初川流域の復旧・復興事業の状況やスケジュールをご説明するとともに、事業へのご意見などを伺うことを目的として、地区別説明会を実施しております。これからも被災者の皆様、そして住民の皆様の声をしっかりお聞きしながら、着実に事業を進めてまいりたいと考えております。
それでは以下、議案の提出順に従いまして、その概要について説明を申し上げます。
始めに、議案第43号 令和6年度熱海市一般会計補正予算(第3号) につきまして、歳出から申し上げます。
第2款 総務費につきましては、情報政策費として、「住民基本台帳ネットワークシステム」及び「資産管理・フィルタリング等監視システム」の更新にあたり、債務負担行為を設定して5年間のリース契約による更新を予定していたところ、日銀の利上げの影響を受けて、本更新に係るリース利率が大きく上昇する見込みとなったこと等に伴い、一括購入することが経済的と判断されたことから、債務負担行為を廃止し、機器通信設定等を含めた導入業務の委託料について追加補正をお願いするものです。
第3款 民生費につきましては、身体障害者・知的障害者福祉費として、令和4年度に受けた遺贈による寄付金について、遺贈者の遺志に沿って、陽光の園施設整備事業に対する補助をしようとすることから、補助金について追加補正をお願いするものです。
老人医療費として、静岡県後期高齢者医療広域連合に対する令和5年度の事務費負担金の精算に伴い、後期高齢者医療事業特別会計からの繰入金収入が生じることから、財源更正をお願いするものです。
児童福祉総務費として、児童手当制度の改正に伴い、給付システムの改修が必要となったことから、システム改修業務委託料について追加補正をお願いするものです。
第6款 観光商工費につきましては、観光戦略費として、観光庁が所管する特別体験事業事務局からの受託事業として採択されたことに伴い、インバウンド客をターゲットとして、旧日向別邸、ⅯOAの東山荘、起雲閣を巡り、熱海の文化財である建築物と食を堪能するツアーを企画提供するための委託料、熱海観光局設立に際する基本財産としての出捐金、法人登記手数料、事務所家賃、事務用品購入費、人件費等に要する経費に対しての補助金について追加補正をお願いするものです。
第8款 消防費につきましては、非常備消防費として、消防団第四分団詰所の建設事業に係る測量、地質調査、実施設計等に要する委託料について追加補正をお願いするものです。
歳入につきましては、国庫補助金、後期高齢者医療事業特別会計繰入金、地域福祉基金繰入金、繰越金、受託事業に係る諸収入及び市債を増額補正した結果、歳入歳出とも、1億2,298万7千円の増額補正をお願いするものです。
次に、議案第44号 令和6年度熱海市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号) につきましては、
第1款 総務費として、マイナンバーカードと健康保険証一体化への対応のためのシステム改修、保険加入者情報等通知郵便料、周知リーフレット印刷代等について追加・増額補正をお願いするものです。
第3款 国民健康保険事業費納付金として、一般被保険者後期高齢者支援金等分及び介護納付金分について、財源更正をお願いするものです。
歳入につきましては、県支出金及び繰入金を減額補正し、国庫支出金及び繰越金を増額補正して措置した結果、歳入歳出とも871万2千円の増額補正をお願いするものです。
議案第45号 令和6年度熱海市介護保険事業特別会計補正予算(第1号) につきましては、
第5款 基金積立金として、繰越金の残余分を積立てる経費について増額補正をお願いするものです。
第7款 諸支出金として、令和5年度の国庫支出金等が確定したため、その精算に係る返還金について増額補正をお願いするものです。
歳入につきましては、繰越金を増額補正して措置した結果、歳入歳出とも8,534万3千円の増額補正をお願いするものです。
議案第46号 令和6年度熱海市後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第1号) につきましては、
第2款 後期高齢者医療広域連合納付金として、出納整理期間中に納付された普通徴収保険料を、広域連合に納付する負担金について増額補正をお願いするものです。
第3款 諸支出金として、令和5年度事務費負担金に係る剰余金を、一般会計へ繰り出す繰出金の増額補正をお願いするものです。
歳入につきましては、繰越金及び過年度広域連合事務費負担金精算金である諸収入を増額補正して措置した結果、歳入歳出とも1,373万4千円の増額補正をお願いするものです。
議案第47号 熱海市中小企業・小規模企業振興基本条例につきましては、中小企業等が経済の発展に果たす役割の重要性に鑑み、その振興を図るため、必要な事項を定めることとしたことから、本条例を制定しようとするものです。
議案第48号 熱海市国民健康保険条例の一部を改正する条例につきましては、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、本年12月2日から熱海市国民健康保険被保険者証等が廃止されること等から、本条例について所要の改正をしようとするものです。
議案第49号 熱海市水道条例及び熱海市温泉条例の一部を改正する条例につきましては、水道事業及び温泉事業の健全な経営の確保のため、料金等の徴収回数を見直すこととしたこと等から、関係条例について所要の改正をしようとするものです。
議案第50号 熱海市下水道条例の一部を改正する条例につきましては、下水道事業の健全な経営及び負担の公平性の確保のため、使用料及びその徴収回数を見直すこととしたこと等から、本条例について所要の改正をしようとするものです。
議案第51号 熱海市育英事業条例の一部を改正する条例につきましては、市内における特定職種者の確保等を図るため、本事業の対象となる要件を改めることとしたこと等から、本条例について所要の改正をしようとするものです。
議案第52号 「住民票の写し等の交付に関する事務の事務委託の廃止について」につきましては、本年10月31日をもって、関係普通地方公共団体との間の住民票の写し等の交付に関する事務の事務委託を廃止しようとすることから、地方自治法第252条の14第2項の規定による関係普通地方公共団体の協議を行うに当たり、同条第3項において準用する同法第252条の2の2第3項の規定により、議会の議決をお願いするものです。
議案第53号 「静岡県後期高齢者医療広域連合規約の変更について」につきましては、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律が施行され、本年12月2日から現行の被保険者証が発行されなくなることに伴い、静岡県後期高齢者医療広域連合規約を変更する必要があることから、地方自治法第291条の3第1項の規定により関係地方公共団体の協議を行うに当たり、同法第291条の11の規定により、議会の議決をお願いするものです。
議案第54号 未処分利益剰余金の処分について(令和5年度熱海市水道事業会計)、
議案第55号 未処分利益剰余金の処分について(令和5年度熱海市下水道事業会計)及び
議案第56号 未処分利益剰余金の処分について(令和5年度熱海市温泉事業会計)の以上3案件につきましては、地方公営企業法第32条第2項の規定により、令和5年度熱海市公営企業各会計の未処分利益剰余金の処分について議会の議決をお願いするものです。
次に、認定第1号 決算認定について(令和5年度 熱海市一般会計決算)、
認定第2号 決算認定について(令和5年度熱海市国民
健康保険事業特別会計決算)、
認定第3号 決算認定について(令和5年度熱海市 介護保険事業特別会計決算)、
認定第4号 決算認定について(令和5年度熱海市 初島漁業集落排水処理事業特別会計決算)、
認定第5号 決算認定について(令和5年度熱海市 後期高齢者医療事業特別会計決算)並びに
認定第6号 決算認定について(令和5年度熱海市 水道事業会計決算)、
認定第7号 決算認定について(令和5年度熱海市 下水道事業会計決算)及び
認定第8号 決算認定について(令和5年度熱海市 温泉事業会計決算)の以上8案件につきましては、
地方自治法等の定めるところに従い、令和5年度熱海市一般会計及び各特別会計決算、並びに令和5年度熱海市公営企業各会計決算を、本市監査委員の審査に付(ふ)したところ、決算審査意見書が提出されましたので、ご審議のうえ、認定いただきたく提案するものであります。
次に、報告第13号 専決処分の報告について(交通事故に係る損害賠償の額の決定及び和解について)につきましては、本年5月13日に熱海市下多賀541番
12地先で発生した、交通事故に係る損害賠償の額の決定及び和解について、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により議会に報告するものです。
次に、報告第14号 専決処分の報告について(建物火災防ぎょ活動中の隣家屋根破損に係る損害賠償の額の決定及び和解について)につきましては、本年4月19日に熱海市紅葉ガ丘町14番6号において、火災が発生している建物の隣家の屋根から消火活動中に当該屋根の一部を踏み抜き破損した事故に係る損害賠償の額の決定及び和解について、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により議会に報告するものです。
最後に、報告第15号 令和5年度健全化判断比率 及び資金不足比率の報告について につきましては、
令和5年度の決算数値に基づき算定された健全化判断比率及び資金不足比率と、その算定基礎事項を記載した書類を、本市監査委員の審査に付(ふ)したところ、財政健全化審査意見書並びに経営健全化審査意見書が提出されましたので、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項及び第22条第1項の規定により議会に報告するものです。
以上で上程議案に対する説明を終わりますが、議員各位におかれましては、提案の趣旨をご理解いただき、ご賛同いただけますよう、お願い申し上げます。