本日の新聞に75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度について、23の都道府県が保険料を来年度から引き上げることが分かったと記載されていました。
既にこの制度導入時にこの値上げは予測されていたものと記憶していますが、現実に数字を見ると驚かされます。このなかで増減率が高かったのは徳島県で7.7%増の3,478円2010年度の年間保険料は4万8,391円。大阪府は5.1%増で3,895円ですが2010年度の年間保険料は8万728円にものぼっていて、我が静岡県はというと471円、0.8%の増で2010年度の年間保険料は5万9,571円となる予定。
この制度について民主党はマニフェスト(政権公約)で廃止を掲げています。
以前の衆議院予算委員会で、後期高齢者医療制度の廃止に向けての筋道を確認した議論がなされ、その手順について「国民の皆さんにしっかりと説明してほしい」という質問に長妻大臣は、「この制度を廃止をする方針だ」と改めて表明し、そのうえで「廃止をして直ちに前の制度に戻すことになると、コンピュータシステムの問題、広域連合の問題等のために、これだけでも2年かかることがわかった」と説明。そうした事態もふまえ、2段階での対応を行っていくと述べ、まず第一に後期高齢者医療制度の問題点を改善し、改善したうえで廃止し、新しい制度に変えていく方針であると明らかにしました。
改善点について長妻大臣は、(1)75歳以上の方からこれまでの保険証を取り上げることになる、資格証明書の制度を行わないこと、(2)打ち切りとなっていた75歳以上の方への人間ドックの助成の復活、(3)義務付けがなされなくなっていた、75歳以上の方への自治体による健康診断の義務付けの復活、(4)75歳以上の方だけに新たな診療報酬体系を設けたために、長期入院すると診療報酬が下がり、病院から早期退院を迫られるといった弊害を生んでいる事態をふまえ、この診療報酬体系の廃止――等を説明しました。
厚生労働省は実際に廃止されるのは新しい制度を設計した後の2013年度以降になる予定で、それまでは現行制度に基づいて負担増を極力和らげる方針です。