福島第一原子力発電所構内視察を実施致しましたのでその時の様子をご報告致します。
福島第一原子力発電所に向かう警戒区域にて静岡県警の皆様が派遣され警備にあたってくださる様子を伺うことができました。沼津と浜松ナンバーを付けた車輌もあり、被災地支援任務を遂行してくださっており、静岡県民として嬉しく、また誇らしく感じました。
私たち県議団は大きく手を振って激励いたしました。
さて、まずはじめに、Jヴィレッジセンターハウス入館前にWBC(ホールボディカウンター)を受検し、視察終了後にも受検し、異常がないことを確認いたしました。
このJヴィレッジセンターハウスには昨年も文教警察委員会の視察の際に訪れて計測しています。
昨年の視察の様子はこちらから。
APD(個人被ばく線量計)、手袋、全面マスク、青タイベック(防護服)、靴カバーを装着
当初、作業服での視察予定でしたが、汚染発生に伴い、青タイベック(防護服)を着用しての敷地内視察となりました。
視察前の説明では、(中略)1号機から4号機のあたりが海抜10メートル、津波が15メートルといわれていますので、5メートルくらいは津波の浸水を受けたエリアとなります。
5号機6号機は海抜13メートルになり、高低差3メートル、同じように津波が来ているがタービンの海側の津波による損害が、かなり1~4号機のものと5・6号機と変わっている。違いをご確認いただくのと同時に線量も1~4号機の方は爆発も起こしており、非常に高い状態ですが、5・6号機は事故後冷温停止状態に到達している。線量的にも非常に低い状況です。
13番の5・6号機の非常用ディーゼル発電機で、今回、外部電源喪失、非常用ディーゼルも浸水、或いは配電盤の浸水で電気が無くなったという報告ですが、5・6号機ではこの非常用ディーゼル発電機が最後まで稼働して、水を送ったことにより冷温停止状態に到達することができた。
最後に5・6号機に外部の電源を送っていた夜ノ森線の送電線があり、鉄塔が盛土の土砂崩れにより倒壊してしまい、まだ現在も残っているのでこれもご覧いただく予定。
以前に港の近くで汚染水が漏れ出ているというニュースが記憶にあると思いますが、配布してあるのはその説明資料。平成23年、事故の年の4月頃には、この中から海の中に漏れ出た事象があり、これは既に止水してあり、漏えいはしていない。今回、実際汚染がどこからきているのか確定はしていないが、現在は、以前に漏えいした箇所の止水も終わっていてここからの漏れは無いと考えているが、手前の方のトレンチといってトンネルがあり、間に汚染した水が残っているところがある。そこから漏れ出ている可能性もあるということでこれ以上、汚染した水が海の方に出ないように、地盤改良し、土の中にダムの壁の様なものをつくり、15メートルくらい打ち込み、10メートル以上の地盤改良をしている。山側も同じように壁をつくってふさぐ作業もしている。
井戸を掘り地下水の汲み上げも行い、くみ上げた水は建屋で通常のタービンの水と一緒に処理している。現在は地下水位も下がっていて、海に出ることはほぼ防いでいると考えている。トレンチのこともあるので、今後はすべてセメントやベルトライトのような充填剤で埋めてしまうということで順次作業を進めている。
(中略)(画像参照※クリックで拡大)
当初のスケジュールでは免震重要棟内の視察が予定されていましたが、被ばく線量が上がったということで、免震重要棟での降車はせず、構内視察は構内バス(復旧関連作業車両)で視察を行いました。
現在この第一原発では3,000人が作業をおこなっていますが、今年は特に暑く、熱中症も多く発症したため、12時から5時までは作業を中止としているということでした。ちなみに私たちの約50分のバス内での座っての視察でさえも、慣れないこともあるとは思いますが、息苦しく、暑く、精神的なプレッシャーを感じた次第ですので、真夏の作業は想像を絶するものではなかったかと思います。
大量に水が出るということはそれほど想定していなかった。フランジ型のタンクの隙間から徐々に漏れる程度であろうと従前の1日2回社員がパトロールをしているが、そういう漏えいであればパトロールの際に発見し、発見した際には直ちに堰を閉めて外に出ることを防ぐ運用であったかと聞いている。それで今回は誠に申し訳ないことながら300トンの汚染水が漏えいしまっている。今回そのパトロールでは見つけられなかった事実がある。雨が降った場合には、溜まった場合には測定し、汚染が無いと確認した場合には雨水として流させていただく。
(問)3000人の作業大変な作業だが、技術者や、実際のマンパワーが足りないのでは?
(答)長期の計画の中では、作業員の不足は起きていないと思う。今回のトラブルが起きて対応しなければならないと急遽作業員の方に来ていただくことになるので現在若干厳しい面もあるのは事実です。単に人出が足りないということもあるが、ここで働くには放射線の従事者登録が必要で、これは事前の放射能に関する教育を受けていただき作業員として登録していただき初めて準備ができる。ですので、どうしてもタイムラグが出る。いろんなところで限られた技術がる。その技術をお持ちの方が日本全国にお願いしても集まりきらないということはあというふうには聞いている。
(問)今後このタンクに貯留されている汚染水の処理は。水質測定について海底の検査はやられているのか。
(答)二つ目の海底の土壌の検査は定期的にやらさせていただいている。HPで公開している。海の検査については弊社以外にも福島県、環境省が別途調査している。公表されているが外のものに関してはそれほど高い数値ではございません。取水口の前の部分は非常に高い水が検出されていますが、それ以外は低い数値です。発電所の方から継続的に濃度の高い汚染水が海の方に出ている状況ではないと今のところ私どもは考えています。あくまでもデータの上で調べていかないと、いざそういうことがあるとわからないので。海での測定の頻度、測定の地点等も増やして調べさせていただく。
汚染水の処理は、最終的に現在は決まっていません。現在3つのことを約束している。ひとつは地下水が建物に流れ込んできているので、建物に来る地下水を減らす努力をしている。山側から海のほうに流れているので、山側で井戸を掘り、地下水を抜いて海に流している。地下水バイパスと言ってお聞きになったことがある方もいるかと思います。35メートルの高さの丁度淵のところに12本の井戸を既に掘っています。汲み上げた水を一旦タンクにためて汚染が無いことを確認したうえで海に流しています。こういう準備を整えている。既に設備は完成し、現在は漁業関係者の皆様をはじめとし、関係者に説明している。ご了解いただければ運用開始して地下水の汲み上げを始める。12本から1日千トンくみ上げる。建物の周りから流れ込む水、今は400トンですが、300トンに減らせると考えている。あとは建物の周りの地面の表面を何らかの形で覆って建物の周りに浸み込むのを防いだりする方策も考えている。二つ目は今日アルプスをご覧いただいたが、最初にご説明しましたが、処理した水はセシウムは除去したが、それ以外の放射性物質はまだ含まれております。ストロンチュームやその他のもの。そのまま貯蔵するよりもアルプスを使うとトリチュームを分けられ、トリチュウームだけの水に置き換えることができ万が一の漏えいの際の汚染のリスクを下げたいということで進めています。3つ目はアルプスで処理した水、処理しない水含めて、敷地内にしっかり貯蔵させていただく、現在39万トンのタンクの容量があり、ほぼ9割汚染水が貯まっていて、現在敷地の中でタンクの増設を鋭意進めている。3年後くらいに80万トンまでの計画の見通しができてはいるが、しかし、未来永劫は不可能なので、地下水を減らし、これから汚染水をこれ以上増やさない方策を考えている。ですが現在は地下水を止める有効な手立てはない。ということでした。
(答)停電事故を起こしたのは仮設のトランスでして、電源系統の本設化を進めていたが、あと3週間くらいで本設に切り替える予定でした。あの時は動物が入りチバクが起きたがチバクが起きた後、事故が継続しなかった。事故点がすぐに探せなかった。どこが事故点かの絞り込みが大変時間がかかってしまった。あの事故て停止したのは使用済み燃料プールの冷却の設備でした。使用済燃料プールは崩壊熱が非常に少ないですが、やはり少しづつ熱は出していたので冷やし続けないといけない。あの時65度という数字をお知らせしたかと思うが、発電所の中で使用済み燃料プールの温度の管理をしていて、65度を一つの管理の目安としておりました。65度まで冷却がたまった状態が続いて、65度にどれくらいでなるかとお知らせしたのが、3日くらいということでした。65度を超えてしまうとどうなるかというと特にどうなるということは無く、当然水は100度で蒸発いたします。どんどん上昇し沸騰して水がなくなると燃料が外に出てそれこそまた溶けてしまうという状況になる。今回の事象は説明が不十分で誤解を招き申し訳なく思っていますが、使用済燃料プールの冷却が止まったということと、それから私どもの反省ですが、実際65度の管理値まで3日あるというある意味余裕として見てしまいましたので、その3日にしっかり原因を究明して復旧すれば、安全という面では特に問題が無いというのは私どもの判断です。しかし、一般の皆様方からすると、使用済燃料の冷却が止まって3日も放置して、心配だというお声も誠に仰る通りで、私どもの大変な反省点として、冷却の関係、汚染水の関係、社会の皆様の大きな影響を及ぼす事象が起きた場合には、直ちに事象を報告し、経過措置をタイムリーにご報告するということでプレスの対応を変えさせていただいております。
(答)3号機は燃料損傷して水素爆発起こしています。その爆発した瓦礫が飛び散っています。まだそれが全部取れ切れていない。1号機も爆発していますが、1号機はカバーがかかっていて、若干の遮蔽になっている。そういうこともあり3号機の前は今一番高くなっている。
構内バスで、
①免震重要棟(緊急時の対策本部)
②原子炉注水ポンプ、処理水貯蔵タンク
③事務本館
④乾式キャスク仮保管設備現場
⑤多核種除去設備
⑥地下水バイパス揚水井
⑦滞留水処理設備制御室
⑧1~4号機外観確認
⑨4号機原子炉建屋
10.1~4号機海側
11.乾式キャスク保管庫
12.5,6号機海側設備
13.非常用ディーゼル発電機6B
14.夜ノ森線鉄塔倒壊現場
15.入退域管理施設
を約50分でまわりました。
先般ネズミによる配電盤の停電事故を起こした個所も説明があり、また、画像の通り石積の現在の仮設防潮堤がバスの高さよりも低い状況であることが確認できました。
静岡からきたメガフロートも説明があり確認できました。
途中、4号機の建屋前では、350mSv、400、500、700、900、1.4、1.72、と線量は急激に上昇する数値が車内マイクで放送され、緊張した瞬間でした。
4号機は10月から燃料を取り出す作業に取り掛かるということでした。
5号機建屋横では5.3を確認。
まだ線量が非常に高い関係で処理ができのなだと思いますが、車などが大破したままで当時の津波の凄まじい被害の跡が無惨にも残っていました。
今回の視察を我が静岡県政に活かすだけでなく、浜岡原発の安全対策、そして我が県のエネルギー政策にしっかり結びつけて参りたいと思います。
2日間の視察に際し、御尽力いただきました関係各位の皆様に心から感謝申し上げます。