12月12日、静岡県教育委員会安倍教育長及び担当教育委員会職員の皆様と共に熱海市立初島小・中学校を視察いたしました。
今回の視察目的は、国が平成24年度から「離島高校生就学支援費」事業を実施し、平成24年度で年額150,000円(平成25年度は年額240,000円)の支給を行うことになり、地元の要望に基づき、本年9月県議会本会議にて本県唯一の離島初島の対応についての質問を行いました。その調査及びその他の要望等のヒアリングが実施されました。
初島小中学校で行われたヒアリングでは、初島小中学校の沓間校長先生、稲葉教頭先生と新藤初島区長も区長と保護者代表という立場でお忙しいなかご参加いただきました。
まず、沓間校長先生から島と学校の概要説明をしていただきました。
熱海市から10.4キロ、島の周囲4キロ。島人口212人。平成6年にホテル開業。ホテルの従業員の子どもはいない。従業員単身者のみ。本年度、子どもたちの応援旗を作製し、島に群生しているスイセンをモチーフにした。
昭和55年に作詞阿久悠、作曲三木たかしの黄金コンビで制定された校歌誕生のエピソードもご紹介いただきました。
当時の子どもたちが泉中学校の生徒たちと修学旅行へ行った際に互いの校歌を披露することになったが当時初島小中学校に校歌は無くさみしい思いをした。このこともきっかけとなり当時の校長先生が阿久悠先生にお願いし校歌誕生に至った。雄大な季節感あふれる素晴らしい校歌ができた。
初島小・中学校の制定は、第一小学校・熱海中学校より分離した昭和47年度。平成9年、独立25周年時に新校舎完成。
現在、1年生女子一人、2年生0、3年生男子1人、4年生 、5年生女子1人、6年生女子3人、中学は1年生男子4人2年生0、3年生男女2名ずつの4人 計15人。2年続けて入学生は0が続く。島内の子どもの数が現在20人。
将来の子どもの数は心配だが、学校をなくすわけにはいかないと思う。
問題点として、来年度、小学校が2・4年の複式と5・6年の複式の2クラスになる。教員定数2名減ってしまう。小学校籍が6名教諭が4名、4名のうち3名がクラス担任、1名が教務主任。中学は4人の教職員、うち校長教頭を抜くと教員2名。教職員10名いるが教員は6名。来年小学校4人の教員が2人になってしまう。担任と全ての教務を2人で行わなければならない。
今中学が実際そういう状況だが、授業も数教科持たざるを得ない状況。今年は配慮いただいて小学校の籍の先生が中学の免許を持っており、社会と国語と理科が中学に入ってくれている。例年ないくらい5教科がそろった。中学籍は英語と数学。
一番心配なのが子供たちの学力保障。受験を考えると5教科そろっているということは本当にありがたいこと。体育の教頭先生も美術、小学校の図工を一手に引き受けてくれている。小学校の体育も。十何時間になる。
来年度の小学校2名となることの全てのきょう無のバランスの問題が挙げられる。
体験学習、海では海老刺し網体験実施。給食に伊勢海老出る。山ではジャガイモ体験。
テレビ会議年3回。島の子どもたちに島の産業、文化、お父さんお母さんの苦労とか、育てていただいている感謝とか、そんな気持ちを育てたい。島の子どもたちは本当に素直。
初木神社例大祭も保育園の子どもたちと島内練り歩く。お年寄り喜ぶ。運動会も島内全員参加のイベント。
生徒15名だが、家庭数は10家庭。毎月がPTA総会のよう。皆さんが役についてくださっている。
島の子どもは中学3年を卒業すると必ず島を出て下宿しなければならない。寮やアパート。
親もそうなので子供たちも自然とそれを受け止めている。
島には帰ってくるがもう二度と戻らないという意志も同時に持って育っている。
戻ること戻らないことを見通した上での高校卒業後も考えた進路指導を行っている。とにかく高校へ行けばいいということではここは済まない。島に戻れるのは一家庭でで一人だけ。進路が限られる。家族で一緒に考える状況にはなっている。
小規模校の市内の桃山小学校と一緒に授業を受ける。ここに比べれば大規模校。熱海中学校の進路説明会に参加させてもらって40名のクラスの授業体験をさせてもらった。
来年度は泉中途自然教室を行う予定。
校外活動も朝一番の8時の船で、最終5時、この時間内でしかできないが、各校3名ずつ出るチャレンジマラソンなど体験させたい。
危機管理の問題、もし船がでなくなったら、途中事故等あったら、修学旅行もそうだがもしだめな時は保護者に1泊を事前に相談している。もしもの時は保護者もわたって宿泊してもらう。厳しい面もある。
島は犯罪等は無い。病院が無いのでケガや病気が心配。週2回医師が来るのみ。
教職員の第一は絶対にケガをしない病気にならない。を気にしてやっている。
離島高校生就学保護者代表として、国が支援している伺っており、タイムリーで自分も子供が高校へ行っている状況。
地域と学校が協力しあい、島にとっても小中学校文化面で必要な施設で、勇気や元気をいただいている。
PTAからも量や質も教育面について是非拡充をお願いしたい。
まず、いかなる現状でも島から通うことは不可能と言うことを認識してほしい。
我々は通えない高校社会に私たちが参加出来ない状況。日本人のほぼ100%近くが高校に通い、高校を経験して社会に出ていく時代。物理的に通わせなければいけない想いが親としてある。
限られた人数のなかで保育園から中学生まで同じ仲間でやってきて、接する個性が足りないところがある。はじめて接するのが大きな高校。高校という場を、価値観を知ってから社会に出ていただきたいと思う。
二つ心配面があり、一つは現実的なことになるが経済的なこと。実質義務教育の延長になっている。親元はなれて朝からずっと一人。表情見えない心配。でも今は携帯電話があるので、1年の後半まで落ち着かなかったこともあった。下宿。同級生の男子が島ではいなかったが、今高校に行って楽しいと言っている。
今うちはおじいさんとおばあさんがいて賄いつき、お昼は高校で食べている。土日は付かない。でも任せっ切るにはできず、二重の生活形態になる。下宿代で65000円くらいから全体で10万から11万。高校は無料化で助かっている。いくばくでも補助してもらえると助かる。
ホテルができたことによって5時台の船が最終になったが、それまでは4時だった。ホテルも民間なので採算がある。5時台の船が出ないこともある。
離島振興法、時代の流れに沿って実施いていただけるのかと思う。
教育長 10人高校在学中。集まって近況報告の機会あるのでしょうか。
校長 戻ってくれば顔を出しますが。
焼津水産高校土日は寮に入れない。ということを聞いている。
県職員 確認する。
教育長 修学旅行時とかは熱海に前泊するのでしょうか。
校長 修学旅行は無いが受験時はあった。負担や緊張も受験が多い。
区長 補助金無くてもいいが、伊豆の真ん中あたりに寮を作ってくれるとありがたいという声もある。
教育長 高等学校の情報を高校関係者と直接話をしたいと思うことはあるのでしょうか。質疑応答等。
校長 子供たちは1日体験入学等に行くことが多い。
インターネット環境の問題も挙げられる。
【高等学校下宿生徒居住費助成事業について】
高校未設置離島の高校生を対象に、教育負担が重くなっている通学費、居住費等に要する経費を支援する市町村又は、都道府県に対する補助するもの。
国が平成24年度から「離島高校生就学支援費」事業を実施し、平成24年度で年額150,000円(平成25年度は年額240,000円)の支給額。
補助率は2分の1 補助裏は特別交付税
他県では、5つの県が県費負担し、21の県が離島と山間部の公平性という理由で県費負担をおこなっていない。
各県において島や山間部の状況は違いがあると思うのですが、島という特殊性をどこまで認めていくべきかが注視される。
今回、静岡県で唯一の有人離島にあたり、9月議会本会議で取り上げ、川勝知事から「支援する方向で」と前向きな答弁をいただきました。
このことら、現地に県教育長をはじめ、教育委員会の幹部の皆様による現地視察が行われました。
県教委の考え方と回答は委員会で質すこととし、
現地視察に同行させていただきましたので、その時の初島小・中学校の校長先生と保護者でもある初島区長さんからお話を伺ったので、その要旨をご報告いたします。
まず、初島小・中学校の校長先生から、学校の概要や歴史について、またグランドデザインの説明が行われました。
市内の桃山小学校の交流がある。
自然教室は泉中学校と
チャレンジマラソンに参加(8時発5時最終)保護者の了解のもと
ホテルの子供はいないホテルは単身者が多い
現在都内の子供数は20人
中学3年になり卒業すると全員島を出る 子供達は自然とそれを受け入れている
1人は後継として島に戻れる それを見通した進路指導を行っている 限られる 家族で話し合い
現在高校生10人
進路で住居選択を余儀無くされる
島にとって文化面で大切な勇気いただいている PTA教育の確保
高校の価値観
ヒアリングの後、阿久悠さん、三木たかしさん作詞作曲の初島小中学校校歌を児童生徒の15名の皆さんが歌ってくださいました。