平成23年3月28日、午後7時より熱海市起雲閣において第2回新消防庁舎説明会が行われました。
市当局より配布された資料は、前回第1回の時の質問や意見に回答を付け集約されたものと津波浸水域の図面、他の土地との比較検討、現場図面。
私は他の会合があり遅れて入場したため、前半についての説明等を聞くことができませんでしたが、後半の地域住民の方の意見は大半がこの場所に新消防庁舎を建設することを反対するものであった。
前回の第1回の説明会は東北地方の大震災の前だったのですが、その時点でも既にこの場所について、津波の心配があるが問題はないのかといった質問があがっていた。当局の説明では想定される津波は3メートル。渚護岸工事の整備により直接の被災は少なく河川をさかのぼる津波についての影響は未確定ということだった。しかし、今回の東北関東大震災を受け、災害対策等について、県と協議が必要であると考えているということが資料には補足されていた。
説明会で当局は今回の大地震による津波被害の検証はまだ行われていないが、国の中央防災会議による概要解明を待って、県が検討することになると述べ、市はそれを受けて被害を想定し、その結果をもとに判断するというが、この旧長崎屋跡地の案は事実上の棚上げである。
今後は県との協議ということだが、基本的には消防は市町業務であるので、津波対策や消防広域化などは県との相談対象となっても、新消防庁舎建設場所については市独自で結論を出さなくてはならないはずである。
今朝の報道で、岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)地区では、市が4億円を投じて昨年造った防災拠点を津波が直撃し、安全と信じて集まった住民100人以上が一瞬にして泥水にのまれ、50人以上が死亡、今も多くの人の消息が不明という。震災直前の訓練でも避難先に指定されていた。
熱海市はこの災害の教訓をしっかり受け止め、一刻も早く市民の安全を担保することを考え、新消防庁舎についての代替案を至急検討するべきである。