令和7年2月市議会定例会 橋本一実 【本会議令和7年3月7日】
本会議での質問と答弁を掲載いたします。
熱海市火葬場の災害復旧に関して
議案第1号 令和7年度熱海市一般会計予算 ①熱海市火葬場の災害復旧に関して
令和7年度一般会計予算に、災害復旧費3億円計上されています。市の説明では施設周辺土砂並びに内部土砂の撤去完了後に施設改修修繕に関する調査を行い、昨年10月8日付の専決処分した火葬炉及びエレベーターにかかる4000万円の繰越明許費については補正予算で廃止とする旨の説明がありました。
3億円の費用については、施設周辺、内部の土砂の撤去に関し、その量と搬出難度が想定以上に高くなり、後期の延長、費用の増加 そのことで施設内の調査に遅れが生じ、さらに施設裏手の沢から湧水が施設内に流入し続けたということで火葬炉のダメージが進行したため全面的な改修を要することとなったとの説明でした。
昨年10月の被災後に、湧水による2次的被害を受けていたと言う事になると思いますが、湧水の流入は防ぐことが出来なかったのか伺います。
火葬場は、住民にとって必要不可欠な施設であり、現在、伊東市、三島市、真鶴町にご協力をいただいて火葬場をお借りしておりますが、工期はいつまでかかる見込みなのでしょうか。
3億円の費用投入にあたり、この場所が火葬場として適地として安全面に本当に問題はないのか伺います。
〈齊藤市長答弁〉
火葬場の災害復旧に関する御質問に答弁申し上げます。
まずは、火葬場の再開までの間、市民の皆様には大変なご負担をお掛けしていることにつきまして、改めてお詫び申し上げ、一日も早い再開に向け尽力してまいる所存でございます。
はじめに、火葬場の被災後に湧水の流入を防ぐことができなかったのかにつきましては、当時の現場の状況は、多くの土砂や倒木等の堆積により非常に不安定な状態にあり、建物内に非常に多くの水の流入が続いておりました。
対応といたしましては、建物内への水の流れを変えられるよう、部分的に建物周りの堆積土砂等を応急的に取り払うなどの処置を行ったところであります。
しかしながら、雨量が多い場合には応急的な処置では全ての水の流入を防ぐことができず、施設内に流入してしまう状況が生じてしまったところであります。
次に、復旧工事の工期につきましては、令和7年度内を想定しておりますが、背後地の防災減災対策工事や施設内における火葬炉をはじめとした改修工事などの進捗を管理する中で、工期短縮を模索し、一日も早い再開に向け努めてまいりたいと考えております。
最後に、火葬場の現在地が適地として安全面で問題はないのかについてです。
昨年8月の台風10号の影響により火葬場の背後地の一部が崩落し、施設内に多量の土砂、水が流入したことにより現在に至るわけですが、発災直後から施設内部及び後背地の状況を踏まえ、施設復旧及び背後地の防災、減災対策の可否について、熱海市及び、静岡県を交えての検討を重ね、その結果、総合的に現在地での復旧、再開が可能であると判断したものであります。
このことを踏まえ、背後地の防災、減災対策を講じるため、
第一に、今回の土砂崩れの発生箇所である県道熱海函南線上部の法面については、対策工事として、崩土を撤去し法面整形をした後、当該箇所が富士箱根伊豆国立公園内であることから斜面緑化を行い、法面部の湧水等の処理のため排水施設を設置いたします。
第二に、県道の修復工事に当たり静岡県熱海土木事務所が上部法面側に落石防護柵を設置し、県道の下側には静岡県東部農林事務所が谷止め工として治山ダムを設置する予定であります。
加えて、背後地からの流水処理のため、流路を火葬場敷地内に設置し、河川初川2号へ接続することも予定しております。
これらの包括的な対策工事により、今回の災害と同様の気象状況になった場合でも、災害の発生を未然に防ぐことができると見込まれるところでございます。
今後も専門家の意見を聞きながら防災、減災対策を講じてまいりたいと考えております。
【橋本かずみ再質問①】
被災した炉は、何年に設置されたものだったか、新しい炉はどのくらいもつものなのか伺います。
<小圷市民生活委部長答弁>
被災した炉につきましては、3基ともに平成3年に設置されたものでございます。
この、大幅な温度変化を繰り返す火葬炉につきましては、適時、確実に長寿命化のメンテナンスを行うことにより、長期使用が可能であり、今回の全面改修後も引き続き長期的に使用していくことを考えております。
【橋本かずみ再質問②】
市霊柩車の利用負担が予算計上されているが、現状での問題点はないのか?
<小圷市民生活部長答弁>
市の霊柩車につきましては、広域火葬に伴う遠方への対応として1台を追加し、1日2便の往復運行としています。
また、市の霊柩車の予約が埋まっている場合に民間の霊柩車を利用した際には、ご負担された利用料金の全額を助成させていただいております。
現状では、市霊柩車の利用予約が約140件、民間利用の助成件数が約120件の状況にあります。これらの仕組みにつきましては、現在苦情などをお受けしている状況にありませんが、改善が必要な場合には適宜見直しを図ってまいりたいと考えております。
【橋本かずみ再質問③】
伊東市・三島市・真鶴町への謝意はしっかり伝わっているのでしょうかお聞きします。
<小圷市民生活部長答弁>
広域火葬としてご協力をいただいております伊東市・三島函南広域行政組合・真鶴町には、本市の状況をお汲み取りいただき多くの御支援をいただいているところであります。
発災直後の受け入れ時においては、市長より施設設置者である市長、町長に対して受け入れに対する御礼を申し上げ、また、現場対応としては、各火葬施設の担当部署の皆様に対しまして、被災状況や対応の見通しなど、個別に訪問し御説明したほか、新年のご挨拶の機会などを捉えて感謝の意をお伝えしております。
今後も節目の機会において、施設の復旧状況などを丁寧にお伝えしてまいりたいと考えております。