橋本かずみ活動ブログ

令和4年3月9日令和4年熱海市議会2月定例会、一般質問登壇しました。

熱海市議会 録画配信がご覧いただけます。
http://www.atami-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=37

令和4年3月9日令和4年熱海市議会2月定例会

熱海市民クラブの橋本一実でございます。
ただいまから令和4年熱海市議会2月定例会における一般質問を行います。

『私は、この定例会の質問に当たり、一昨日、伊豆山神社線の、ここにもおられます、高橋議員のご自宅の前に立ち、源頭部方向・また岸谷側の風景を改めて見てまいりました。発災後、支援や調査のため、何度かこの道を通過し、現場を見てまいりましたが、改めて見てみると、あれから8カ月が経過している訳ですが、発災前の緑豊かな山間部もなければ、古い町並みの岸谷の風景もなく、ただあるのは、茶褐色の空き地が、想像を超える大きさで広がっていました。
私は、『何故、この災害を防ぐことは出来なかったのか』『何故、被害を少しでも小さくできなかったのか』等、色々な思いが沸いて参りました。私は、その地に住んでいたり、被災した親族がいる訳ではありませんが、友人や知人を失い、大きな悲しみと苦しみが沸いて参りました。
多くの市民や関係者の方も思いは同じではないのかと思っています。
一方、2月25日には、被災地区の復興計画策定に向け検討委員会の初会合も開かれており、被災地区の復興も動き出しております。私としては、復興も、もちろん大事ですので、地域関係者各世代の意見を聞いて頂き、早急に進めて頂きたいと思っておりますが、他方、家族親族が亡くなられた方、家屋が全半壊された方、また帰宅を制限されている方等の、心情を考えますと、この災害の原因の究明もスピード感をもって進めていかなければならないと、決意を新たにした所でございます。

それでは、質問に入ります。
まず令和4年度、市長施政方針について伺います。

「伊豆山土石流災害からの復興」と「長期化するコロナ禍を乗り越えていく年」とされたサブタイトル、この2つの大きな難局を乗り越えていこうという意気込みはわかりました。
しかし、本会議初日、登壇し、施政方針を説明した齊藤市長から「反省」という言葉を聞くことはできなかったことに、率直に申し上げて、非常に残念な思いを私は感じている次第であります。これまでの本会議での質疑、百条委員会、一連の報道でも、この土石流の発生源となった盛り土の扱い、そして発災直前の対応について、市の対処が万全であったかと問われるとすれば、それは「NO」と答えるほかはないと私は思っております。もちろん、「違法な盛り土」の実行行為者や当時の土地所有者、また中途半端な状態で赤井谷を長年放置した現所有者の責任は、私は極めて重大だと認識しておりますが、それだけではなく、なぜあのような行為を許してしまったのか、明らかに危険であると認識していたのにも関わらず、なぜ結果的に見過ごすことになってしまったのか、土石流の発生前に避難レベルをもっと上げるべきではなかったのか。あえて言うならば、これらの「度重なる失策」について、その責任は「行政にある」と、私は議員として、一人の熱海市民として、そう断じざるを得ません。しかし、今回示されたこの施政方針の中には「責任」そして「反省」という言葉はひとつも存在しないのです。

今回の災害では、あまたの反省点があることに異論はないでしょう。その反省点をどう活かし、二度とこのような悲劇を繰り返さないようにしていくことこそが、犠牲になられた方々とそのご遺族に対する、市としてのまずもっての姿勢ではないでしょうか。
そこで改めてお尋ねいたします。

今回の土石流災害で、盛り土の件から発災日当日の体制、発災後の今日に至るまで、市長は行政の責任をどのように感じているのか。反省すべきことはないのでしょうか。令和4年度に実行に移す事項はひとつもないのか。これを表明すべきではないのでしょうか。
百条委員会や法廷が導き出す答えを待つ、などではなく、いまこのとき市長として、責任はあると思うのか、ないと思うのか、あるとするならば、なぜそれを率直に被害者の方々に伝えようとしないのか、その点をお答えください。
また、施政方針文中「土石流の原因究明などに取り組んでまいりましたが云々」とありますが、何をどのように取り組んだのか、百条委の委員から求められたものや県の検証委員会に資料を提出しているだけで、自主的な調査検証というものがいまひとつ見えてきません。原因究明に取り組んでいると言うのであれば、いったいいま何を調べて、その結果をどうするおつもりなのか、お答えください。

次に、静岡県は、まん延防止措置が再度延長となりましたが、長引く新型コロナウイルス対策として、低迷する市内経済をどう立て直して行くべきか、令和4年度実施施策に関して、観光ブランド・プロモーションの企業向け取り組みについてお聞きします。コロナ禍における経済対策として企業向けプロモーションに取り組む観光ブランド・プロモーション経費15,000千円が計上されています。観光ブランド・プロモーションは、実績があり大きな期待が寄せられていますが、具体的に企業向けのプロモーションとはどのような手段で取り組まれるのか説明を求めます。

次に、伊豆山土石流災害に関連してお聞きします。
7月2日の「高齢者等避難」の発出以降、避難指示等を発出しなかった件について、昨日、同僚議員からも質問されましたが更に詳細に伺いたいと思います。
昨年9月定例会において、伊豆山土石流災害発災前の危機管理体制について、防災情報のレベル3、高齢者等避難発令からなぜレベル4の避難指示発令を躊躇したのか。避難指示発令を見送った経緯を伺いました。齊藤市長のご答弁では、気象庁の今後の雨量予測などを踏まえて総合的に判断したものと伺いましたが、その後いくつかの疑念が生じましたので改めて伺います。

(議場内に皆様には、資料を配付させていただきますのでご覧下さい)

資料1は、7月2日から3日にかけての気象情報とそれに対する本市の対応、そして静岡地方気象台観測予報管理官から市危機管理監に対する「ホットライン」の内容を時系列で示したものです。 資料2は、気象庁の土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)を7月2日12時から7月3日13時まで1時間ごとに記載したものであり、この資料は(岐阜県「静岡県熱海市における土石流災害の概要」より抜粋) 致しました。資料3は、7月2日午前10時30分に開催され臨時庁議の議事録です。この添付資料によれば、

  1. 7月3日午前3時以降、土石流の起点付近は最高危険度の濃い紫色「極めて危険」な状況として表示されており、土石流が発生したとされる直前の午前9時~10時にかけては、周辺自治体を含めて「濃い紫色の面積」が最も広くなった時間帯であり、土砂災害の危険度は「ピーク」に達していたことをキキクルは示していたといえます。なお、気象庁のキキクルの説明によると「濃い紫色の危険度が出現した場合」は、「土壌雨量指数等の実況値が過去の重大な土砂災害発生時に匹敵する値にすでに到達したことを示します。すでに命に危険が及ぶ土砂災害が発生していてもおかしくない極めて危険な状況で、この状況になる前に土砂災害警戒区域等の外の少しでも安全な場所への避難を完了しておく必要があります」とされています。
  2. 気象台観測予報管理官からの3回目のホットライン(7月3日9時4分)では、今後の降雨の見込みについて「いったんは小康状態」との予想を述べたものの、「既にこれまでの大雨により土砂災害の危険性は高い状況であり、今後再び雨が降る予想であることから引き続き厳重な警戒を」と注意を促しています。
    以上を踏まえ、伺います。

1 市は、7月3日未明以降からキキクル上の危険度が加速度的に増していったのに、7月2日10時の「高齢者等避難」の発出以降、それ以上の避難指示等を発出しなかったのはなぜか。キキクルの情報を軽視した理由はなにか。

2 気象台観測予報管理官とのホットラインは、市側は危機管理監が対応したということで間違いはないか。そのやり取りの記録はあるか。

3 市はキキクルを常時モニターしていたか。「濃い紫色」の状態は、市のどのような場に報告され、どのように活用されたか。

4 計3回のホットラインは、市のどのような場に報告され、どのように活用されたか。 お答えください。

次に、前回に引き続き、県土採取等規制条例に基づく措置命令や停止命令の発令を一度は検討したものの、最終的に見送っていた事について質問させて頂きます。

私は、県が2021年10月18日に公開した資料、約4300ページ、また同月19日に熱海市が公開した約130通の文章、また、2022年2月に公開された内部文章の約950ページと発災後に、記者会見で市長が、この件いついて語っているインタビュー記事、また12月議会での答弁を、何度も、確認して読み返してみましたが、どうしても腑に落ちない事があります。

問題になっていた、赤井谷の盛り土部でありますが、この場所は、工事を開始してから、色々な問題が発生していた箇所でありまして、その都度、指導・是正を繰り返して来た現場でもあります。また、当時は、A社の市内各所の現場でも、数々の問題が続発していた状況でありました。

 この様な状況の中、問題の盛り土部ですが、県の資料(A106)によると、2010年8月末の段階で、届け出の高さ15mを大きく超過していて、推定で45m程の高さになっていました。

 そこで、熱海市は2010年9月17日にA社に対し、土採取等規制条例に係る要請文書を発出、内容は①土砂の搬入をしない事。②完了届を提出して検査を受ける事でした。その後、前回の要請に回答が無い中、2010年10月18日には、市はA社に対し、土砂搬入の中止文書を発出。内容は、要請を無視して残土の搬入が行われており、土砂崩壊が発生すると逢初川水域の住民の生命と財産に危険を及ぼす可能性があるので、即刻土砂の搬入中止を要請すると言う内容でありました。

その様な状況で、赤井谷を含む土地が、盛り土部の是正がされていない状況でA社からB者へ売却された事により、状況が複雑化して行きますが、県土採取等規制条例上の申請者はA社であるので、是正の責務はA者である事が、当事者間で確認されている状況でありました。その時点ではA社が、市に対して変更届け等を未提出な事もあり、その具体的内容について、現在公開されている資料では明示されておりません。

 上記の様な状況を踏まえ、市は2011年3月17日に、県土地対策課、県森林計画課と現状の確認と今後の対応について協議した結果、土砂の流出、崩壊等の危険性があり、緊急の是正を行わせる必要がある為、まずは期限を区切って文書指導を行い、続いて停止(中止)命令を行っていく方向性を確認しております。

2011年5月19日には赤井谷対策会議を建設課、まちづくり課、県保健所、県土木事務所、本庁と合同で行い、回答の最終期限を5月末に設定しましたが、5月末期日までに回答が無かったので、2011年 6月 2日に市は、県土地対策課と協議の上、今後の処理を下記により行いたいとして、市長に報告し、①弁明の機会の付与通知 6 月中旬(提出期限 6 月下旬)②弁明書の提出がない場合、③条例第 6 条に基づく措置命令 7 月中旬を稟議した状況でありました。 

以上が、経緯ですが、この経緯を踏まえて、以下2つ質問をさせて頂きます。

市長は、県土採取等規制条例に基づく措置命令や停止命令の発令見送りの経緯を、『その後事業者が防災工事に着手をし、またその後においても追加防災工事を行うということを言明していることから、措置命令の発出を見送ったものでございます』と、答弁されていいます。

県土採取等規制条例に基づく措置命令や停止命令の稟議日付は6月2日ですが、A社代表者と直接打ち合わせをしたのが、6月20日です。この時は、作業主体の業者と連絡が取れない。わからない。と言っている状況で、その後、工事の内容を当事者間(A社、B者、熱海市)で決めたのが、7月12日で実際に工事が開始されたのは7月13日という流れですが、この流れから言うと、市長の言う、工事着手は行われていない状況なのに、何故、発令を見送ったのかが疑問で仕方がないです。前回も伺いましたがよく分からないご答弁でしたのでまず、丁寧に答えて欲しいところは、弁明機会付与の箇所です。6月に弁明機会の付与通知を予定していたのになぜ通知をしなかったのか。6月の時点では工事は着手されていません。と言うことは、通知がされていないことが不自然なわけです。ここを説明してください。

また、今までの経緯を見る限り、A社は市の要請する、条例の遵守に真摯に向き合っているとは到底思えず、今後も遵守する見込みがないと思われる状況ですので、実際は見送った原因が、工事着手したから及びする見込みではなく、何らかの別の要因で、見送ったと言われても仕方がないと思いますが、如何でしょうか。お答え下さい。

橋本かずみプロフィール

橋本一実(はしもと・かずみ)
1964年(昭和39年)10月20日生まれ、58歳
家族:母、妻、1男2女
住所:静岡県熱海市清水町5-17
●静岡県立熱海高校卒業(1982年度卒)
●株式会社東海プランニング代表
●熱海市交通指導員(2002年~)
●熱海市バドミントン協会会長(2008年~)
●熱海高校同窓会みどり会会長(2017年~)
●熱海ワイズメンズクラブ会員(1998年~)
●熱海コンパニオン協会会長(2018年~)
●熱海コミカレねっとわーく会長(2020年~)
【公職・政治歴】
●2002年9月:熱海市議会議員初当選
●2003年4月:熱海市議会議員再選
●2007年4月:熱海市議会議員3選
●2010年10月:静岡県議会議員初当選
●2011年4月:静岡県議会議員再選
●2014年5月:静岡県議会厚生委員長
●2015年6月:衆議院議員秘書
●2019年4月:熱海市議会議員4選
●2020年6月:熱海市議会第83代副議長

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