平成22年4月21日午後2時30分熱海市役所5階会議室において総務教育委員会を開催いたしました。
今回は先日このブログで報告いたしました職員不祥事が2件続けて起こり、その件について委員会開催に至りました。
私が熱海市議会3月定例議会より総務教育委員長を仰せつかっておりますので、この件について今回は詳細に報告致します。
委員会開催冒頭、多くのマスコミがカメラを構える中で、齊藤市長が「二つの職員の不祥事につきまして深く陳謝いたします。全体の奉仕者でなければならない公務員としては、あってはならない行為がこの4月に2件起きましたことは市長として大変残念であり、また市民、そして議会の皆様に対しましてご迷惑、ご心配をお掛け致しましたことに深くお詫びを申しあげます。日頃より職員には市民に信頼され、また、手本となるよう働きかけてきたところですが私の意にするところが十分に伝わっていなかった結果と重く受けとめております。今後はさらに職員の綱紀粛正、また、服務規律の確保に努め一丸となって市民の信頼回復に努めてまいりますのでご理解をいただきますようにお願い申しあげる次第です」と陳謝の言葉が述べられ、続いて藤池教育長より臨時職員に件についての説明が行なわれました。
藤池教育長からもまず教育委員会学校教育課所管の臨時職員不祥事であることから「委員の皆様はもとより該当校の子どもたち、保護者、地域住民の皆様、関係者各位にご心配とご迷惑をお掛けしたことに対し心よりお詫び申しあげます。申し訳ございませんでした。」とお詫びの言葉が述べられ事案内容の説明が行なわれました。
事案の内容は
PTA会計における横領で、学校臨時職員(PTA役員で会計担当)が平成15年度から平成21年度の7年間にわたり、PTA会費やPTAバザー収益金、約400万円を私的(子どもの教育費)に流用。
対象職員履歴は
・52歳の女性職員
・平成9年7月~平成12年3月市役所臨時職員
・平成12年4月~平成22年4月学校臨時事務職員
事案発覚後の経緯は
・今回の事案については、4月12日(月)21時20分に電話で一報が入り、翌日の13日(火)8時40分に学校長とPTA会長が教育委員会を訪れ事件の概要についての報告を受ける。(現時点では本人が消息不明であったため、詳細は確認ができない状況)
・4月14日午後、PTA会長より本人と会うことができ、役員が通帳や帳簿を照合した調査結果と本人からの事情徴収した結果の整合性が図られ事件の詳細が判明したことと、被害額を本人が弁済するとの報告が入る。
・4月14日18時30分、教育委員会が本人から事情聴取した結果、PTA会長からの報告と一致した供述が得られる。
・4月15日15時から開催されたPTA総会にて、本人が出席し会員に謝罪するとともに、今回の不祥事に対する問題も含め議案が承認されたことが、PTA会長から総会終了後に連絡が入る。
本人への処分は
・PTA会長より「今回に事件は、学校臨時職員ではあるがPTAの会計を担当した役員でもありPTAのチェック体制の甘さから生じた事件で、本人が弁済する見通しがたったことから、子どもたちへの影響を考え、公にならないように配慮してほしい」との強い要望を受け、教育委員会としては苦渋の選択ではあったが、子どもたちへの教育的配慮を最優先し、懲戒処分とはせず依願退職とし、4月14日付けで受理
事案発覚後の教育委員会の対応と対策
・4月15日教育委員会定例会にて事案報告及び不祥事防止対策を協議
・4月16日臨時校長会にて不祥事防止対策を協議し、学校徴収金すべての管理状況の報告を求めるとともに、通帳や帳簿をもとにチェック体制を強化するよう指示
・同日 静東教育事務所に行き、事案報告
・4月20日幼稚園にも幼稚園徴収金すべての管理状況の報告を求めるとともに、通帳や帳簿をもとにチェック体制を強化するよう指示
続いて消防職員による不祥事についての説明を渡辺消防長に求め、渡辺消防長は「今回の消防職員の不祥事につきましては市民の皆様、議員の皆様に多大なるご迷惑をお掛けし弁解の余地はありません。心よりお詫びを申しあげる次第であります」と陳謝の言葉のあと経緯説明がなされました。
事件の内容は
平成22年4月17日(土)午後10時10分頃熱海市下多賀476-5熱海警察署南熱海交番において交番前掲示板ガラス2枚を破損
被疑者 熱海市消防本部消防署救助係 男性23歳
事故概要 発生当日 新規採用職員の歓迎会を職員39名で午後6時から下多賀の飲食店で行い午後8時に終了した。
有志の2次会を13名で網代駅前通りの飲食店で行い午後10時頃終了し、職員(飲酒しない)の車に同乗し自宅へ向かう途中、「奥さんが迎えに来る」と言い水神川汐留橋付近で車を降り、大縄公園のほうに向かって歩いていく途中、南熱海交番前に設置されている掲示板のガラスを割り現行犯逮捕された。
容疑 器物損壊罪
逮捕から釈放までの経緯
・現行犯逮捕 平成22年4月17日(土)午後10時17分
・留置 逮捕後、平成22年4月19日(月)午前8時まで熱海警察署において留置
・身柄送致及び釈放
平成22年4月19日(月)午前9時 静岡地方検察庁沼津支部に身柄を送致され、検事の取調べた結果、勾留の必要なしとの判断で同日、午後2時に熱海警察署にて処分保留のまま釈放された。
本人からの事情徴収
釈放後、消防長室にて原因を事情聴取した結果、意図的にガラスを損壊したものではなく酩酊し、掲示板に手を着いて寄りかかったものと思われるもの。
両事件についての職員の処分が櫻井副市長から説明され、「まず教育委員会の臨時職員につきましては監督者責任は免れないと考えられ、県教委の処分の方向を見定めて処分をしてまいりたいと思いいます。消防職員の不祥事については、現在本人についての処分が保留されていることから、この処分が決定
し、処分の内容により本人及び監督者責任について処分をする方針です」ということであった。
昨年実施した「公金等の現金取扱い業務」にかかわる全庁調査と今回の不祥事についてが植野総務部長から説明され、「昨年の公金横領の件から不祥事対策委員会を設置し、全庁調査を行った。外郭団体や実行委員会などの公金等を扱う業務につきましても同様に把握をしてきた。結果62件が報告されたが、今回の事案はその中には報告されていなかった。その内容としては学校内のみで処理され、原則として市が直接関与しない業務であることから学校の公金については調査は及ばなかった。そこで今後市としては、市が直接関与しない業務であっても職員が現金を取り扱う事案の部分については、すべて把握す関与する部分については検討していく」ということです。
教育委員会臨時職員の案件について委員からの質疑では
・不祥事についてなぜこのような事件が行ったのか?
(教育長)臨時職員とは言え十年近く同じ部署にいた。体制に不備があった。
・個人の資質や倫理観の問題、市の職員のケア(教育)が不足していたのではないか。
・臨時職員は多忙で、この職員は2校受け持っていた。大変だったことも魔が差した原因では。
・このような案件で普段現場での教育委員会が関与できない部分のチェック体制を。
・公金であろうがなかろうが、臨時でも公務員は公務員、区別していないか。
(市長)正規職員・臨時職員は区別していない。
・市長は責任者として強く責任を感じて欲しい。
・防止対策委員会の効果を期待する。
・学校は県の管轄だと思うが、報告されどんな感じだったか。
(教育長)事態の現状を報告した。推移の逐次報告をする。県教委にも。
PTAについては教育の心強い味方で、それをお手伝いしている臨時職員がこのようなことをしたことについては弁解の余地は本来ないが、学校・PTAと連携をより深め、これから理解・協力をただきながら改革を進めていかなければならないと考える。
・チェック体制を強化とあるが、臨時職員は現状7年スパンで他の学校も変わるのか。
(教育課長)今まで臨時職員の移動していなかった。手遅れといえばそうだが、適正の期間での移動を考えていく。
・本人への処分の箇所で「教育委員会としては苦渋の選択ではあったが子どもたちへの教育的配慮を最優先し、懲戒処分とはせず依願退職とし受理」というこの点は教育的配慮最優先なら、なおさら依願退職はどうか?
(教育長)仰るとおりでこちらも矛盾感じながら選択した。一番大きな理由は今回の報道が明るみに出たことが、現在のPTA会長の努力があり、全容が解明されてきて、何とか学校の為、子供たちのために公にしないで欲しいという要望があった。PTAの立場、子どものこと考えた。
・服務規定については職員と臨時職員は同じか?
(総務部長)同じと考えてほしい。
消防職員の案件にについて委員からの質疑では
・酩酊してるとあるが故意だったのか故意でないのかは確認はとれたのか?
(消防長)本人に状況を質したところ、「意図的にガラスを壊したのではなく掲示板に手を着いて寄りかかった」とこのようなことを聴取応じ弁明したということで、ハッキリしたことはわからないが・・
・処分が下されていないが、酩酊してたのなら状況はわからないはずだが、
(消防総務課長)供述に関しては警察は現在ノーコメント、一部報道では素手で叩き割ったことが事実かどうか本人に手を見せろと確認したところ素手には傷なく現場の確認もおこなったが、ガラス5ミリほどあり、手の内側に2ミニくらいのかすり傷あり、嘘はいっていない様子。
・23歳で丸3年消防士拝命している。慣れが出てきたのか。酩酊するまで飲むなど言語道断。消防職員については緊急時のこともある。
教の委員会のこの記事をUPし、打ち込みながら・・・
委員の指摘にもあったが、公務員だから、市職員だから、まさかという考えから400万円もの流用になり監査が甘くなったのだと思う。つまり職員は一般人と比べはるかに信用されているのだ。その信用を裏切る行為だとすれば、いくら教育的配慮とは言え依願退職を受けいれるということは理解できない。懲戒処分になれば、臨時職員にはないが、一般職員だったなら退職金も払われず、氏名も公表されるわけで、大きな違いである。しかしPTAに400万円も・・と言うのが実感。今熱海市に求められているのは優れた教育環境であり、移住してくる人や移住を考える人たちに対してへ、熱海の教育的魅力をアピールしなくては人口減少に歯止めどころか、転入で人口増の活性など望めない。教育関係の職員だからといって区別するつもりはないが、もしも体裁をとりつくろうということでこのようなことがおこなわれたとしたら、逆効果である。常に教育現場は慎重に対処するべきである。
消防職員については意図的にガラスを損壊したのではなく酩酊して・・ということならば現行犯逮捕されるわけないし・・もしそれで逮捕し勾留したならば、警察の対応に問題が生じてくるのではないか。もし意図的ではないにしても委員から指摘があった通り、消防職員が酩酊するほど酒を飲むことについては言語道断だ。