1.産業委員会県内視察その1.浜松ホトニクス(株)産業開発研究所
6月25日・26日の両日、静岡県議会産業委員会の県内視察を実施しました。
午前9時にJR浜松駅に集合し、まずはじめにバスの車中で委員会を開催しました。
委員会といっても視察行程を正式に決定するということで、委員会中もバスは視察先の浜松ホトニクス(株)産業開発研究所に向かっていました。
浜松ホトニクス(株)産業開発研究所は、新しい光産業を開発することを目的として平成20年に開設され、光エネルギーを利用した発電・医療・物質改変など、光を用いた新しい産業を目指す研究機関です。
今回は、海水中の水素の同位元素から人工的にクリーンなエネルギーを取り出すレーザー核融合研究の取り組みを中心に、光技術の最先端企業の研究部門を視察させていだきました。
ご説明をいただいたのは吉田堅司常務取締役、菅博文取締役、光産業創成大学院の北川米喜教授、大出力レーザー開発部の川嶋利幸研究開発グループ長のみな様でした。お忙しいなかご対応いただきありがとうございました。
さて、産業委員会の竹内委員長がまずはじめに、文系出身者が大変多いのでわかりやすいご説明を何卒よろしくと挨拶されましたが、私は理系でも文系でもなく体育会系ということで、はじめの説明の時点で既に目玉がひっくり返り、水素とか窒素とか・・
吉田常務さんのお話では、東日本大震災以降、核融合という言葉が浸透してきており、核分裂による原子力よりも更に効率が良い、燃料は無尽蔵にある、そして放射線といことについても常に安全であり、そういう3つの利点がある。1980年くらいからレーザーの開発はじめた。国家的プロジェクトとして推進していくべきと考えている。おそらく既に100億円以上の投資をしている状況、このプロジェクトは大きなものになるということでした。
レーザーの研究を進めてこられて、レーザーの特性がまっすぐ光が進むことや、よく絞れるということに着目し、レンズ等を活用しどこまでもパワーを集中させることができる。核融合には高温高密度状態が必要で民生品にも流れている量産技術を使うことによって将来的には実現に結びつけ様と考えている。
その後核融合と核分裂の違いを説明していただきました。
続いて、光産業創成大学院の北川米喜教授にご説明いただきました。北川教授は、世界で初めてレーザーによる核融合反応を成功させ、連続レーザー核融合100回に成功し、これまで世界中の超大型レーザー装置が一度ずつしか起こせなかっただけに注目を集めています。
北川教授は2025年から35年にかけて発電実証を目指しているといいます。核融合を起こすには1億2千万度という温度が必要。1億2千万度のプラズマ発電を実現できればあとはイ―タ―という大型実験装置があり、イ―タ―から出てくる燃焼プラズマの・・一定時間を保持・・(難しくてわかりませんでした。)磁場を用いる方法と・・
これまでの実験は水素と重水素を用いてきましたが実用化の段階では、放射性物質である三重水素を用いることになる。海水から燃料を無尽蔵に取り出せまた核分裂性生成物が生じないことから次世代エネルギーとして期待される核融合研究ですが三重水素の取り扱いなど様々な課題を一つ一つ乗り越えながら核融合発電の実用化に向けて確実に進むことが望まれます。
色々説明は伺ったのですが、どう凄いのか正直はじめはよく分かりませんでした。
しかし説明を資料やDVDを基に伺ううちに、資源の少ない日本の将来には無くてはならない研究であることが分かってきました。
つまり放射性廃棄物が少ない核融合に於いて、海水中の水素を取り出し、レーザーを照射して核融合を起こしてエネルギーに変える。
とまぁそんな簡単なものではないのですが、今後も次世代エネルギーとして期待される核融合研究に注目していきたいと思います。
記念すべき核融合の瞬間を実際に見させていただきました。