2月14日、民主党・ふじのくに県議団の政調会メンバーにて御殿場市の国立駿河療養所を視察させていただきました。
今回は、私たち県議団と共に埼玉大学教養学部の先生を目指す生徒の皆さんと一緒に説明を受けました。
まず、私は今回の視察まで、この療養所のことだけでなくハンセン病のこともすら殆ど知識が無く恥ずかしく思いました。
それに比べて、埼玉大学の生徒の皆さんの優秀なこと、受講する姿勢もそうですが、受講後におこなわれた質問も人権問題にも触れながら丁寧でそれぞれの皆さんの思いが込められていました。将来の日本の教育界を背負われる教員の卵でもある生徒の皆さんが逞しく見え嬉しく思いました。
さて、国立駿河療養所の説明は所長であり内科医でもある青山南圭先生により説明がおこなわれました。
国立駿河療養所は、1945年に風貌優美で古来より霊峰とされている富士山の麓に開設されたハンセン病の療養施設です。当初、ハンセン病に罹患した軍人の治療施設として開設されましたが、一般の患者さんも入所されるようになり現在に至っています。本邦のハンセン病療養所のうち、最後に開設された施設です。
ハンセン病は、古代から不治の病と思われていたため、1873年に原因菌が発見され1950年代に治療法が確立した後も、罹患者は周囲の偏見と差別の中で苦痛と苦難を強いられてきました。
全国に13か所あるハンセン病療養所では、多くの入所者がハンセン病後遺症と高齢化に伴う合併症のために療養をされています。
駿河療養所は入所者の皆さんの療養の場ですが、生活と癒しの場としても大きな役割を担っています。
このような偏見と差別のない社会の実現に向けて、安心して療養生活ができる環境の提供とともに、地域との交流を通してハンセン病の正しい知識の普及につとめています。
療養所は入所者の皆さんが安心して療養できますよう4つの理念をもって運営しています。
一 入所者の皆様の人格を尊重する
一 安全で快適な生活ができるよう努める
一 安心して受けることのできる医療を提供するよう努める
一 ハンセン病の正しい知識を広め地域住民との生活の一体化をめざす
2012年現在で74名(男40女34 平均81.7歳)の方がこの療養所にて生活を送っています。
青山所長さんの説明の後、所長さんや小鹿自治会長さんとの意見交換を行い、最後に、療養所内の医療施設や介護施設を、所長さんの案内で視察しました。
国の誤った施策により偏見、差別を受け、この療養所に強制収容された方々を看る施設ですが、施設自 体は、近代的で、整備されている印象を持ちました。
この講話の後、限られた時間でしたが施設内を視察させていただきました。
私たちは、改めてハンセン病について学ぶだけでなく、人権が著しく侵害され、痛ましい現実が二度と起こることのないように、しっかり学びながらこの事実が風化しないように後世に伝えていかなければなりません。