学校法人国際医療福祉大学の介護老人保健施設建設について、今まで複数回本会議で取り上げてきている。
昨年9月本議会では下記の議会録を読んでいただけるとわかりますが、覚書や契約書を一切取り交わしていない事実に対し、30億円もの市民の税金を建設補助費として支出しておきながら大学病院側に対して杜撰な市側の対応を質し、また、地域医療の弱みに付け込んだ、当初の約束とは明らかに違う「婦人科休診」や「小児救急の負担増」を求めてきている大学側の駆け引きとも思える運営は多くの市民が求めていた市民病院としての認識の無さを強く感じさせ、病院の経営本位の実態が表面化してきている。
昨年9月議会では齊藤市長が学校法人国際医療福祉大学髙木邦格理事長と平成21年9月11日に交渉を行った結果、本年度中の着工並びに平成23年11月から12月ごろの開設を目指していく旨の回答を得てはいるが、以前に病院側から出された文書では不測の事態が発生した場合、着工延期もあり得ると記されている。
今年3月中に着工に至るには既に市に対して補助金申請など書類が提出されていなければならないが、その様子も確認できない。
どうやら老健施設を建設すると言うのは口先だけで、制度改正が施行され、旨みのなくなった老健施設はやりたくないといったところが本音のところではないだろうか。3月定例市議会でこの件は再度取り上げることにする。
平成21年9月熱海市議会本会議議事録抜粋【9月18日】
◎2番橋本一実君
次に、国際医療福祉大学の老健施設について質問いたします。これまで数回にわたって本会議でのこの国際医療福祉大学の老健施設については伺ってまいりましたが、本年3月定例会において、市が応募者である福祉大について返事を待つだけの姿勢に終始してきたことへの疑問や他の近隣自治体の例を聞き、応募が決定した場合、正当な理由がなくその年度内に実施の兆しがなければ決定を取り消し、再公募するとのことであり、この取り扱いを自治体として行わない疑問などを質して参りました。そして、福祉大がことしの夏ごろまでに見積もりを検討し、再度延長してきた場合、昨年12月議会答弁において、その決定を白紙撤回するとの答弁をいただいております。
そこで、先日観光福祉委員会の席上進捗状況が報告され、その内容は現在建設会社から見積書は順次出されているが、一部の建設会社から見積書の提出がおくれているということで、回答がおくれると言い、当局もこのおくれはやむを得ないと報告されましたが、それでは期限など全くないものと同じではないかと感じた次第です。その後進捗状況についてお尋ねしようと思いましたが、昨日同僚議員が同趣旨の質問をされ、齊藤市長より回答がありましたので、再度その交渉の詳細についてお聞かせをいただきたいと思います。また、この問題につきましては、市の公募に対して手を挙げておきながら、正当な理由もなく期間をただ経過しているものと感じておりますので、あえて厳しく伺いますが、前回の本会議の質問以降覚書もしくは契約書を交わすための努力はされたのでしょうか。現在老人介護保健施設の待機者は40名、特別養護老人ホームの待機者は7月末で市内の方で232名いることを念頭に置いてお答えください。
◎市民福祉部長(小泉治比古君)
私からは、介護老人保健施設に関する御質問にお答えいたします。
国際医療福祉大学におけます介護老人保健施設の建設要請につきましては、議員御承知のとおり昨年の1月と11月に市長みずから福祉大学理事長と直接交渉を行った結果、建設実現に向けての前向きな回答を文書で得られているところでございます。その後につきましても、覚書などの取り交わしは行わず、毎月定期的に大学側と進捗状況などを確認してきたものでございます。このような経過の中におきまして、建設に向けての具体的な意向並びに回答を得るため、去る9月11日に再度市長と理事長との間で交渉を行った結果、理事長より本年度中の着工並びに平成23年11月から12月ごろの開設を目指していく旨の回答を得たものでございます。その内容につきましては、後日文書において大学側より正式に回答されるとのこととなっております。老人保健施設の建設実現に向けたこのほどの大学側の回答につきましては、本市における長年の懸案事項がかなうものであるとともに、高齢化対策事業として非常に意義あるものと思っております。御理解願いたいと存じます