民主党・ふじのくに県議団の政調会勉強会を平成24年1月18日・19日(視察の様子)の1泊2日で行い、その際、区長さんはじめ島の役員の皆様との意見交換にて改めて知った初島地区の夜間悪天候時の緊急搬送の問題を今まで取り組んできました。その中間報告をいたします。
実際に島に住んでみないとわからないことや子供たちの教育環境など、市議時代に気付かなかったことも、この時から県議として取り組まなければならない問題であると強く感じた次第です。
それから数カ月の間、初島区長さん達と共に実際に行動を起こして、まずは、防衛省へ行き事情を説明、(防衛省副大臣に説明)このことから、防衛省が実際に動きだして下さって、本年5月に自衛隊の浜松基地、静岡県危機管理部等が初島の現地視察をに来てくださって、離発着が可能か、また、本当に自衛隊でなければ対応ができないものかを実際に確認してくださいました。
視察の回答は、6月に浜松基地司令から静岡県の川勝知事あてに、初島における災害派遣、急患空輸の可否について、差し迫った対応の必要性がある「緊急性の原則」、公共の秩序を維持するため人命等を保護しなければならない「公共性の原則」、自衛隊の部隊等が派遣される以外適切な手段が無い「非代替性の原則」の3要件を満たしている場合には、災害派遣の範疇で可能であるとの回答、つまり自衛隊の出動が可能ということで大変嬉しい回答がありました。
そのことで、県議会9月定例会の本会議一般質問にて、この問題を取り上げ、健康福祉部長より「今回、初島への自衛隊による救急搬送の道が開かれましたことから、県といたしましては、残る課題となっております同乗医師の確保について、医療機関との調整を始め、費用負担や活動中の事故等による補償などの問題を、地元熱海市と共に早急に解決し、実現に向け取り組んでまいります。」との答弁をいただき、早速、市と共に協議を進めました。
しかし、医師の同乗について、医師の確保がそんなに簡単なことではないことは想定できますので、県で何とかならないのかを色々協議してきたのですが、千葉の館山の海上自衛隊のヘリが一番早く来れることを想定するとやはり、熱海市の2次救急にお願いできるものならばそれが妥当ではないかと判断いたしました。
いくら初島までの飛行時間が短く、夜間の悪天候時とは限定されてはいても、いつ発生するかわからない緊急搬送の医師を確保することが難しいことはよくわかります。
県も市も財政的に厳しい状況下ですので、回数にして年に1度発生するかどうかのこの問題に、予算を付けにくいとともに議会の承認は得られない可能性も考えると、さらに問題が大きいことを認識しなければなりません。
県の離島振興計画に於いても「医療の確保」が謳われているものの、ドクターヘリの強化充実くらいのもので、夜間のドクターヘリが実現していない本県の状況ですので、夜間悪天候時の対応など計画に含まれてはいません。
また、熱海市の場合、現在1次救急が無く、二次救急の輪番制でそれをカバーしている状況にあり、その緊急時の対応に支障を来す恐れがあるということも問題です。
現在、この救急搬送時の医師の同乗が、自衛隊法によるものであることから、医師を救急救命士や看護師に変更できないものか、医師が常駐していない島の特殊性を考慮して頂けないものかについて、今後要望活動を進めていくとともに、静岡県の3次救急体制や地元医師会の協力が得られないものか、加えて、その他の打開策は何かないかを十分検討し、一刻も早く、初島地区の安心安全に向けた自衛隊ヘリの緊急時夜間航行の実現に向けて重ねて努力をして参りたいと思います。