その中で、昨年8月から災害対策基本法第63条に基づく警戒区域が設定され、立入禁止の措置がされていますが、この解除の見通しと、被災者の方々からご相談を受け部分的な解除ができないものかその可能性について質しました。
斉藤市長は、解除しても河川や道路、ライフラインの整備状況により、完了したところから順次戻っていただく事が想定され、市として8月上旬に解除に向けたスケジュール等を被災者された皆様にお示しする説明会を開催する。説明会では、国が行う砂防堰堤の進捗状況、県が行う予定の不安定土砂の撤去の見通しなど、その時点での逢初川上流部及び逢初川復旧工事の進捗状況や完了予定の説明を予定するとともに被災者の皆さんに対する生活再建支援策の市の方針をお示ししたいと考えている。部分的な解除については、区域内全体の安全性確保が解除の要件であり、部分的な解除は想定していないご理解賜りたいと答弁がありました。
そのほか、被災者へのヒアリングの進捗状況について、県行政対応検証委員会の最終報告書について、落ち残った盛り土及び第二盛り土の安全対策、伊豆山復興計画について、伊豆多賀駅裏、上多賀宝泉寺上、下多賀山伏大橋下の開発についても質問を行いました。
土石流災害「警戒区域」解除に向けたスケジュール8月上旬に示すー熱海市長が明らかに 部分解除はせず (msn.com)
令和4年6月熱海市議会定例会 ※質問と第1答弁を掲載いたします。
皆さん、こんにちは。
熱海市民クラブの橋本一実でございます。
熱海市議会6月定例会における一般質問を行います。
質問に入ります前に、前回定例会にて途中で時間が参りましたので改めまして、プラットホームのnoteに投稿されていたCrow_of_Izusan さんの内容を読ませていただきたいと思います。
後悔と苦悩
2022年2月26日
少し前回の投稿から時間が空いてしまいました。
災害も転機の一つとなっているのですがスキルを身につけるべく勉強をしていて、そちらに注力していました。
まだまだですが、久々に没頭することが出来て前向きな気持ちになりました。
でもこれからのことを考えるとやっぱり不安が大きいです。
再三「被災者の声を聞く」と発言がある割に聞いて貰っていない中で復興検討委員会が発足しました。
行政と喧嘩をしたいわけじゃない、文句をただ言いたいわけじゃない。「聞く」と言っているのに何故聞いてくれないのか?数人の意見で全てを聞いたつもりになっていないか?不満とともに不安です。
前置きが長くなりました。本題に入りたいと思います。
・声掛け
私の近所(約10m範囲内)で4名の方が亡くなりました。
前に書いたKさん宅にいた方(Kさんは無事)も亡くなられました。
遠縁ですが近所で魚屋さんを営んでいた親戚や、後輩のお母さんも亡くなられました。
もし、朝にKさんと会話をした時に「避難しましょう」と言っていれば、もしかしたら助かったかもしれない。
いや、助かったかもしれないではなく、助かったはずなんです。
伊豆山に引っ越してきてそんなに地域と関わってはいなかったですが,
たまたま組長をやっていたので近所の家族構成はなんとなく分かっていました。
あのとき避難しようと言って近所の方々に避難を呼びかけていれば助かった生命(いのち)があったし、もっと安全に避難できた。
大事なものや思い出を少しでも持ち出すことも出来たかもしれない。
そう思えてならないです。
・妻と下の子
私にとって一番の後悔は妻と下の子どもを自宅に残して外出したことです。
「助かったからいいじゃない」
仰るとおりです。
助かったのか、助からなかったのか、それだけで残りの人生は全く違うものになったでしょう。
だから助かったから良かった。そうなんですけどね、でもいくつもの兆候がありながら全てを見逃してしまい、危険な目に遭わせたのは他ならぬ私のせいだと思っています。
近いうちに書くことがあると思いますが、すぐに駆けつけてくれたボランティアの仲間が「この状況で助かったのは奇跡だ」と言いました。
逆に言えば死んでいてもおかしくない状況だった。死がすぐそこまで迫っていた。
災害発生から約8ヶ月になりますが、未だにこの事を思うと苦しくなります。一時期は抗不安剤を服用しなければ寝れない状態でした。
結果は「助かったから良かった」であっても、プロセスとしては完全に失敗なんです。
妻はあまり災害で受けたストレスを外に出しません。でも間違いなくダメージを負っているし、下の子は被災後しばらくは一人になることを怖がったり扉の閉まる音を怖がりました(カウンセラーによれば正常な反応、既に改善しています)。
・苦悩
ここまで読んでいただければ分かると思いますが、私は「助けられたはず」という事に苦しんでいます。
「仕方ないよ」「助かったからいいじゃない」「専門家じゃないんだから」
でも気付いていたのに見逃したんです。
確かに市の方から避難レベル4が発令されなかった、という要因はあります。しかし、私の肌感覚では危険と感じていた。
それに従っていれば、助かる人はいたはずだし家族も危険な目に遭わせずに済んだ。
ご近所で亡くなられた方の親友が私の親戚でした。
後から聞いた話ですが土砂に飲み込まれていくのを電話で聞いていたそうです。
何も手を差し伸べることも出来ず、大事な友だちが電話越しに苦しんでいく。その苦しみも私が声を掛けていればなかったはずなのに。
きっと私はこれから先、苦悩が薄らいだとしても忘れることはきっとないでしょう。
私と同じ想いをする人を一人でも減らしたい。
当時の事を記録する為にブログを書いていますが、この事を一人でも多く知ってほしい。そう思って書いています。
どうか、読んで頂けた皆さんの心のどこかに引っかかっていてほしい。そう願っています。終
この投稿されたCrow_of_Izusanさんは、気付いていたのに見逃してしまった。助けられた命があった。そうご自身を責め、苦悩が薄らいだとしてもきっと忘れることはきっとない。と、記されています。
被災からまもなく1年、私は、市民の代表である議員として、この被災された方々の声を、しっかり受け止めながら、ご要望があるならば多くの皆さんへ拡散し、できる限り痛みを共有させていただくとともに、少しでもその痛みや苦しみが和らぐように努め、改めて、この土石流災害の原因究明と被災者支援に今後も全力を尽くして参る所存です。
質問に入ります。
【橋本】1.まず始めに、伊豆山土石流災害に関して、被災者のヒアリングの取組みとその進捗状況について伺います。
(1)現在、被災された方々については、どのようにヒアリングが行われているのか、(2)また、具体的に、何世帯、何名の方から何を聞き、実際、何が調査できているのか説明を求めます。
【中田吉則経営企画部長答弁】
(1) はじめに、現在、どのようにヒアリングが行われているのかについてです。
現在、三つの部門がそれぞれの目的に応じて、被災された方や伊豆山地区の住民、団体等に対するヒアリングを実施しております。
まず、まちづくり課では、復興まちづくりに関するご意見をお伺いすることを目的としたヒアリング、次に、伊豆山ささえ逢いセンターでは、被災者の伴走型見守り支援と心身のケアを目的としたヒアリング、また、企画財政課復興推進室では、復旧や復興など土石流災害全般に係るご意見をお伺いすることを目的としたグループ面談でのヒアリング、を実施しております。
(2) 次に、具体的に、何世帯、何名の方から何を聞き、何が調査できているのかについてです。
まず、まちづくり課では、避難世帯を対象に現在までに107世帯との初回の面談が済んでおり、伊豆山への帰還のご意向を確認させていただくとともに、主に、道路や河川の復旧・改修や、計画の見通しに対するご意見・ご要望等を多数いただいております。次に、伊豆山ささえ逢いセンターでは、被災世帯を対象に現在までに124世帯と面談や電話などで接触しており、避難生活での不安や悩み事を中心にお伺いしております。また、復興推進室では、伊豆山地区の住民団体等を中心に現在までに17グループ、延べ155人と意見交換をしており、発災当時の状況や被災後の悩み事、お困りごと、復旧・復興に対する思いやご意見などをいただいております。
このように、三つの部門でそれぞれヒアリングを行っておりますが、お伺いした内容につきましては、必要に応じて、市役所内の「被災者情報共有会議」などの場を通じて共有するとともに、すぐに対応が可能な案件については、その内容を担当課に伝え、すみやかに対応するよう努めております。
ヒアリングや意見交換は、これで満足、終わりということはございません。被災された方や伊豆山地区にお住いの方の状況、事情、思い、お考えは千差万別であり、今後、復旧・復興が進むにつれて、日々刻刻と変化していくものと思っております。
今後とも引き続き、被災された方や伊豆山地区にお住いの方とのヒアリングや意見交換の機会を重ねて、いただいたご意見を被災された方の生活再建や、復旧・復興などに可能な限り反映させてまいりたいと考えております。
【橋本】2.次に、県行政対応検証委員会の最終報告書についてお聞きします。
(1)静岡県は『法律上の瑕疵は別として、行政で出来る事はあった事を反省する』と総括していますが、熱海市としてはどの様な見解なのかを伺います。
2.【窪田観光建設部理事答弁】
- 私からは、県行政対応検証委員会の最終報告書に対する、いくつかのご質問につき、ご答弁申し上げます。
(1)静岡県は「法律上の瑕疵は別として、行政でできる事はあった事を反省する」と総括しているが、熱海市としてはどの様な見解なのか、とのご質問につきましては、静岡県と同様に、熱海市としましても本件についての責任を感じているところです。
法律上の瑕疵につきましては、静岡県も含め自らが評価できる立場になく、この点の評価につきましては、司法の判断に委ねざるを得ないと考えております。
【橋本】(2)また、この報告書の措置命令発出見送りについて、委員会の検証に間違いはないか、お聞きします。
【窪田観光建設部理事答弁】措置命令見送りの委員会の検証に間違いはないかというご質問につきましては、措置命令見送り以降の、県の関与に関する検証が十分になされていないと考えております。
報告書では、措置命令見送り以降、すぐに県の関与が薄れていったような記載となっておりますが、熱海市は、措置命令見送り後、A社が法人の実態面や資金面でも実際上機能していないと考えられたこと、現所有者であるC者が、A社の防災工事を引き継ぎ対応する旨言明していたことなどを踏まえ、C者を県土採取等規制条例上の当事者の立場とすることを模索していました。
こうした点について、条例上の課題があり、県にも相談をしておりましたが、結果として、県からは、C者を条例上の当事者とすることは難しいとの見解が示され、その後の有効な助言はなく、次第に本件の関与が薄れていくことになります。
委員会の報告書には、こうした経緯についての記載がなされていないように感じております。
【橋本】(3)そして、現在、熱海市が所管している種々の土地利用の事業で、本件のような届出や申請に不備が認められる案件に対する点検や改善指導等はしっかりと行われているか、ご答弁をお願い致します。
(3)【窪田観光建設部理事答弁】
- 熱海市が所管している種々の土地利用の事業における、点検や改善指導等につきましては、
- 本件災害を受け、昨年7月、県から市町に対し、同様の災害を防止するため、関係法令による盛土造成行為箇所について緊急点検を行うよう要請がありました。
- 市はこの要請に基づき、盛土造成行為箇所について緊急点検を行い、その一部について、直ちに危険な状態ではないものの、不適切な箇所が確認できたため、指導及び経過観察を行っております。私からは以上になります。
【橋本】次に、3.警戒区域解除の見通しについてお聞きします。
現在、警戒区域の対象世帯の皆様は、避難生活を余儀なくされている状況ですが、現状での警戒区域解除の見通しについて及び、部分的な区域の解除の可能性を伺います。
【壇上答弁】答弁者:斉藤市長
私からは、警戒区域解除の見通しに関する2点のご質問に答弁いたします。
警戒区域内に居住されていた皆様には、警戒区域の設定により、長期にわたる避難生活をお願いすることになり、ご不便ご苦労をおかけし申し訳ございません。
当時の状況は、その後も土石流が発生する恐れがあり、引き続き厳重な警戒が必要であるとともに、区域内に立ち入ることは非常に危険な状況でしたので、すぐに立入禁止の措置を行いました。また、国、県、警察などの関係機関とも協議を行い、昨年8月16日には、災害対策基本法第63条に基づく警戒区域の設定をいたしました。
現在は、区域内の土砂等の搬出が終わり、公費解体が始まるなど、復旧から復興に向けて動き出しております。
警戒区域の解除については、非常に重要で、急ぐべき課題であると認識しております。解除にあたっては、現在、国が行っている新設堰堤が完成し、また、源頭部に残されている不安定土砂等の除去が終わり、治水対策の進捗状況もみながら、一定の安全性が確認された後に、国、県などと協議を行い、判断することとなります。
しかし、解除しましても、河川や道路、ライフラインの整備状況により、完了したところから、順次、戻っていただくことが想定されます。
間もなく、発災から1年が経過します。いまだ多くの皆様が、仮設住宅などで不便な生活を余儀なくされておりますことから、少しでも早く警戒区域の解除や工事に関する見通しをお示ししたいと考えております。
市といたしましては、8月上旬には、解除に向けたスケジュール等を被災された皆様にお示しする説明会を開催したいと考えております。
次に、2点目の、部分的な解除の可能性についてです。先ほど申し上げたとおり、区域内全体の安全確保が解除の要件であると考えておりますので、部分的な解除は想定しておりません。ご理解賜りますようお願い致します。
【橋本】次に、4.落ち残った盛り土および第二盛り土の安全対策について伺います。
(1)現在県が公表している「落ち残り」とされる盛り土は約2万㎥であり、先般完了した県の応急排水対策工事及び市の排水対策(側溝の構造の変更等)の効果ならびに、梅雨時期および今後の台風や地震についての安全対策についてお聞きします。
4.【宿崎観光建設部長答弁】
- 私からは、落ち残った盛土及び第二盛土の安全対策、伊豆山地区の復興計画、及び伊豆多賀駅裏ほかの開発問題について、ご答弁申し上げます。
(1)まず、落ち残った盛土及び第二盛土の安全対策について、でございますが、昨年度県が調査した結果、落ち残り盛土とされる盛土につきましては、その盛土内の水の飽和線が一定程度上昇した場合、安定性の問題が生じる可能性があるとされました。
このため、県と市は、これら降雨により表流水や地下水が盛土に浸入することを抑制するための対策を行ったものです。
この対策により、盛り土内に水が流入することに伴う、安定性の低下を防ぎ、土砂の崩落が抑えられるものと考えております。
- これはあくまで応急的な対応でありますが、仮にこれら落ち残り盛土の一部が、大雨や地震等で崩落しても、既に除石を終えている既設の砂防堰堤と、設置された仮設堰堤でこれら土砂を受けられるものと考えられることから、下流域の住民や現在河川改修を行っている作業者の安全性は確保されていると考えております。
- その後土砂の撤去を行う場合、雨季に作業することは危険であること、土砂が流れ出す危険性を排除できないことから、撤去については10月以降になるものと考えております。
- また、通称「第二の盛土」に関しましては、県の確認によると、大規模な崩落が起こる可能性は低いとされております。
- しかしながら、表土が流れだす危険性は否定できないことから、現在、県と市において、現土地所有者に対し、応急仮設工事を実施させ、引き続き、恒久的な是正に向けた指導を行っているところです。
また、(2)新たに発覚した11,800㎥の残土について、最悪の事態を想定した場合、現状の堰堤や現状の応急対策で住民の安全がしっかり担保されているのかお答えください。
(2)【宿崎観光建設部長答弁】
- 新たに発覚した盛り土に関しまして、県が発表した、いわゆるP領域につきまして、県は、危険性は低いものと考えており、砂防部局に加え、廃棄物の混入可能性があることから、廃棄物担当部局が連携して、土地所有者に対応を求めるとのことであります。
- E領域につきましては、土砂投棄の行為者が特定できないこと、土量も少量であることから、県が全量を撤去する予定です。
- 先ほども申し上げましたとおり、これら盛土の危険性は低いものとされており、かつ、設置されている防災施設により、下流域の安全性は確保されているもの認識しております。
次に、5.伊豆山地区の復興の計画について伺います。
まず始めに、
【橋本】(1)この計画遂行にどのくらいの被災者所有の土地が必要となるのか説明いただき、
【宿崎観光建設部長答弁】
私からは、伊豆山地区の復興計画についてご答弁いたします。
最初に、事業を進めていくうえで必要となる土地についてでございます。
現在、被災者の皆様との面談を行い、生活再建等についてのお考えをお聞きしていく中で、住み慣れた伊豆山地区に戻りたいというお考えの皆様を考慮し、事業区域を決め、関係者の皆様の理解を得て進めていくことになります。
議員、ご質問のどのくらい土地が必要かとの質問でございますが、市といたしましては関係者の皆様の理解を得られた土地から復興の事業区域を指定するものと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。
次に、逢初川河川改修に係る流下能力についてでございます。
逢初川の河川改修計画に先立ち、静岡県は河川整備基本方針を策定しました。災害の発生防止または軽減に関して年超過確立30分の1規模の降雨による洪水を安全に流下させることのできる治水施設の整備を進め流域住民の安全性を高めるものとしているため、河川改修により上流部の開発を認める主旨ではありません。
一定規模以上の新たな開発行為や今回のような盛土行為などの土地の形質変更が行われる場合、従前より各法令の定めにより規定してきましたが、今回強化された「宅地造成及び特定盛土規制法」や「静岡県盛土等の規制に関する条例」において事業者に対し適正に指導を行うものと認識しております。
【橋本】(2)小規模住宅地区改良事業を選定するとの当局の説明ですが、被災者に理解して頂くための問題をどう解決してゆくかお聞きします。
【宿崎観光建設部長答弁】
次に、小規模住宅地区改良事業についてのご質問でございますが、
先ほど、個別の面談をはじめ被災者の皆様のご意見等をお聞かせいただいていると申し上げましたが、その中で、自分の土地はどうなるのかなどの質問をお受けすることが数多くあります。皆様からの課題、ご不安に柔軟に対応できる事業として小規模住宅地区改良事業を採択させていただきました。
今後も個別面談等も含めより一層、ご理解が得られるよう説明して参りたいと思っております。
【橋本】また、(3)今後の逢初川の改修により、流下能力が30分の1となることは、1ヘクタール以上の上流部の開発行為が可能となり、盛り土源頭部現所有者の有益となる可能性があります。この事に対しては被災者や市民は納得できないと思うがいかがでしょうか。
【宿崎観光建設部長答弁】
次に、逢初川河川改修に係る流下能力についてでございます。
逢初川の河川改修計画に先立ち、静岡県は河川整備基本方針を策定しました。災害の発生防止または軽減に関して年超過確立30分の1規模の降雨による洪水を安全に流下させることのできる治水施設の整備を進め流域住民の安全性を高めるものとしているため、河川改修により上流部の開発を認める主旨ではありません。
一定規模以上の新たな開発行為や今回のような盛土行為などの土地の形質変更が行われる場合、従前より各法令の定めにより規定してきましたが、今回強化された「宅地造成及び特定盛土規制法」や「静岡県盛土等の規制に関する条例」において事業者に対し適正に指導を行うものと認識しております。
【橋本】そして、4点目ですが、説明会において、先祖代々の土地を手放し、再分譲される土地を購入したいと希望しても、希望が通らない事もあるとの説明がおこなわれていましたが、土地の所有者への優先的な考慮や財源の支援についての当局の考えは如何でしょうか伺います。
【宿崎観光建設部長答弁】
最後は、再分譲される土地についての優先的な考慮や財源の支援についてお答えします。
最初に説明会でのまちづくりの事業手法における説明では少し誤解を招いてしまったことをお詫びいたします。
先ほどから申し上げていることではありますが、市といたましては事業を進めていくうえでは、被災者の皆様のご理解が不可欠であることと思っておりますので、地区内に戻り生活再建をお考えの皆様のお気持ちを優先し事業計画を進めて参りたいと考えております。
また、財源の支援につきましては、今後、十分な検討が必要であると思っております。
【橋本一実】最後に、6.伊豆多賀駅裏・上多賀宝泉寺上・下多賀山伏大橋下の開発問題についてお聞きします。
伊豆多賀駅裏・上多賀宝泉寺上・下多賀山伏大橋下の開発はそれぞれ行なわれていますが、この開発は、伊豆山盛り土源頭部の前所有者A社が当時開発した場所であり、まだ詳細がよく分かりません。現在の百条特別委員会は、土石流災害が発生した源頭部の赤井谷中心に行なわれておりますが、その他の地域の開発行為も心配です。
そこでまず、
(1)実際、この3カ所の開発には、どのくらいの土砂が残り、また、どのくらいの土が投棄されているのかお聞きし、(2)住民の安全性については現状どうなのか。安全性に問題は無いか伺います。
【宿崎観光建設部長答弁】
- 次に、伊豆多賀駅裏、上多賀宝泉寺上・下多賀山伏大橋下の開発に関するご質問にご答弁申し上げます。
(1)ご質問の箇所が3箇所でございますので、順を追ってご説明させていただきます。
- はじめに伊豆多賀駅裏の開発行為につきまして、許可申請に係る設計内容では、切土盛土を行ったうえ、最終的に残土が発生するものとなってはおりますが、事実上、開発行為が中断されており、結果として残土の発生はないもとの認識しております。
- 次に上多賀宝泉寺上につきましては、外部からの土砂の搬入はされておらず、現場内での切土や盛土により発生した土砂により造成を行ったと認識しておりますことから、これも残土の発生はないもとの認識しております。
- 最後の下多賀山伏大橋下につきましては、保安林内での行為のため、県に確認したところ、外部からの搬入された土砂量として、正確な数値を公表していないとのことではございますが、一定程度の残土が残っているものと認識しております。
(2)【宿崎観光建設部長答弁】
- これら3箇所の安全性につきましても、順を追ってご説明させていただきます。
- はじめに伊豆多賀駅裏の開発行為でございますが、こちらは都市計画法の開発行為は中断されておりますが、地形的に水が集まりにくい場所であり、周囲に被害を及ぼす可能性は低いものと認識しております。
- 次に上多賀宝泉寺上につきましては、平成24年度に法面下部に崩壊土砂を捕捉するための待受工を設置しております。現在の状況につきましては、法面の崩壊は確認されておらず、待受工につきましても設置当初の状態を保っていることから、安全性につきましては確保できているものと認識しています。
- 最後の下多賀山伏大橋下につきましては、県による定期的な現地確認において、新たな亀裂や崩壊の兆候は見られないとのことです。また、盛土下流部には10基の治山堰堤があることから、土砂流出の可能性は低いとの回答を県からいただいております。
- 私からは以上になります。