熱海の海岸環境整備事業に関して、津波対策を検討する地区協議会がスタートした事についての県の考えを静岡県議会2月定例会の建設委員会にて(ふじのくに県議団所属の同僚議員)質しましたので質問内容と答弁を記載致します。
【質問】
熱海港海岸には渚地域において、海岸防災機能を確保しながら、観光客及び地元住民が海と親しみ憩える場を創出するために、国の交付金事業である海岸環境整備事業により護岸と緑地の整備が進められています。
しかし、昨今、交付金事業の見直し、地震・津波対策を重点化する国・県の考えから、海岸環境整備事業の予算が大きく削減されており、平成30年度をもって完了する計画となっているが、現状の予算配分では到底完成には至らない状況であります。
現在、熱海市では静岡県第4次地震被害想定に沿って対応が進められており、先般公表された相模トラフの被害想定を含め、津波対策を検討する地区協議会がスタートしたところであります。
この海岸環境整備事業が津波対策にも寄与する事業であることから、観光地の美観・景観・環境を考えたとき、この事業をどのように今後進めていくのか、国に対しての要望、そして熱海市に対して説明をどのように進めるつもりかお聞きします。
【港湾整備課長】
熱海市の海岸の大部分は、港湾と漁港区域に指定されていることから、港湾局が津波対策を担当している。
また、熱海市をはじめとする伊豆半島の海岸は、観光地であることから、防潮堤整備に当たっては、海岸の眺望や景観、海岸利用も両立させる必要があります。
このため、港湾・漁港ごと、「静岡モデル推進協議会」に地区協議会を設け。市民の皆さまと防潮堤整備のあり方を検討することとしており、熱海市では6つの地区協議会を設け、先月の2月26日に第1回目となる地区協議会の合同説明をします。
現在、海岸の環境整備で整備を進めている渚地区は、今後、地区協議会をおいて、(方針)第4工区から南側の防潮堤の整備方針、津波の防護ラインが固まったら、予算を重点配分をお願いすることとし、国にも、理解していただけると考えています。
なお、県と熱海市では「静岡モデル推進検討会」において、レベル1の津波に対しては施設整備によるハード対策、レベル2の津波に対してはハード対策とソフト対策を組み合わせた「多重防御」により、できる限り被害を最小化することを目指して津波対策を検討しています。