ニュース等でご存知の方も多いと思いますが、病気で尾びれのほとんどを失いながら、人工の尾びれを装着して泳ぎを取り戻したことで人気だったバンドウイルカの「フジ」が1日、飼育されていた沖縄県の海洋博公園で亡くなりました。
私がこのフジのことを知ったのは、ちょうど10年前の2004年のことであり、それは、「魅力ある水族館」の調査をしている時のことでした。
市議時代に機会があり、2004年の7月月25日に沖縄に行った際、実際にこのフジの姿を見ました。
そにときはまだ、人工の尾びれはついていない状況でしたが、それでも元気に泳いでいたフジを見たことを覚えています。
「これがフジかぁ」とフジの喜ぶ抵抗の少ない丈夫な尾ひれが完成することを心待ちにしていました。
フジはお隣の伊東市で捕獲されたイルカでした。
「フジ」は尾びれの末端から壊死(えし)する病気にかかり、瀕死(ひんし)の状態に陥りました。
県立北部病院の嘉陽医師ほか病院関係者の方々のご協力で一命は取り留めたものの、尾びれの約75%を失ったフジはイルカ本来の遊泳ができなくなってしまいました。
フジを出来るだけ健康な状態で飼育していくためには、運動機能を回復させなければなりません。そのためにはどうしたら良いのかという試行錯誤の中から生まれたのが、フジに人工尾びれを作るという案でした。
株式会社ブリヂストン社をはじめとする多くの方々のご協力によって「人工尾びれプロジェクト」が始まり、2004年12月、ついに、世界初の人工尾びれが誕生したのです。
海洋博公園は「フジが残してくれたものを、お世話になった人たちに伝えたい」として、フジのパネル展開催を予定しているようです。
フジのご冥福をお祈りするとともに、今までフジのお世話をされてきた関係者の皆様に心から御礼とお見舞いを申し上げます。
フジよ、安らかに。
http://www.asahi.com/articles/OSK201311160008.html?ref=yahoo