平成25年度静岡県議会産業振興・教育等海外事情調査団の視察調査が平成25年11月9日土曜日から11月19日火曜日まで11日間実施されました。(されています。)
団員は天野一団長、岡本護、多家一彦両副団長をはじめとする団員13名、議会事務局の2名の随行員、添乗員1 の16名で結成されております。
会派で見ますと自民改革会議が6人民主党・ふじのくに県議団が4名、公明党静岡県議団が2名、富士の会が1名となっています。
静岡県議会では1期生は基本的に静岡県と友好提携の締結を昭和57年(1982年)からし、昨年30周年を迎えた中国浙江省に視察することになっています。ところが私の場合、補欠選挙での1期目の当選ということで期間が短く、2期目になったことから浙江省視察の機会には恵まれませんでした。
そういう意味では県議会に入り初めての海外事情調査ということになりますが、市議時代から実費以外の海外事情調査の必要性には少々疑念も抱いており、と言うのも現在インターネットなどで瞬時に情報が入る時代でもあり日数と多額の費用を要する海外視察が本当に必要なのか?という思いも正直なところです。
しかし、市議から県議となり更に広い視野を持つことが求められると同時に空港活用の視点や物流、観光経済交流等様々な角度から県と海外地域との交流の必要性などを鑑み、また歯止めのかからない人口減少社会、デリケートな教育問題など外国の先進事例も学ばなくてはなりません。
今回改めて現地調査に参加し、その必要性も合わせて調査し、皆様にご報告したいと思っています。
ということで、この報告をメモしている今は、オランダ王国の首都アムステルダムのホテルからです。昨日成田空港を出発し、予定通り約11時間35分でアムステルダム空港に到着しました。
勿論ですが、こんなに長く飛行機に乗ることは初めてであり、こんなに遠くに来たのも生まれて初めての経験です。日本は現在11日の正午でこちらは17日の午前4時、つまり約8時間の時差があります。
その時差ボケで一度寝付けたものの目が覚めて昨日のおさらいと今日の予習をしています。
まず、オランダ王国についてですが、面積は日本の九州とほぼ同じ広さです。人口は1,679万人(2013年4月オランダ中央統計局)言語はオランダ語です。
現在の首相はマルク・ルッテ氏(VVD) 外相はフランス・ティマーマンス氏(労働党)
今年の4月30日、ベアトリックス女王陛下は退位し、ウィレム・アレキサンダー皇太子殿下が新国王に即位されましたが、ベアトリックス女王陛下とアレキサンダー皇太子(当時)は平成3年に来日した際に熱海市の大観荘に宿泊されております。国賓が日本旅館に宿泊されるのは初めての事だったそうです。 友人からたまたまこのことは教えてもらいました。なんだかとても親近感を持ちました。
さて、それ以外のオランダの情報はネット検索していただくとしまして、今日は世界最大の花市場で知られているアールスメア花市場と欧州最大の港であるロッテルダム港についてアムステルダム港湾管理局の視察です。
アールスメア生花中央市場は総面積約150ヘクタール、普通のサッカー場の80個分、熱海市で言えば埋立地150個分。この市場の取引所の運営方法等について調査を行います。
アムステルダム港湾管理局では欧州最大の取扱量を誇るロッテルダム港対策や、港の再開発事業等について調査します。
園芸はオランダの主要産業の一つてあり、その花の、輸出港とも言える取引所です。
その、規模と花の多さに驚くだけでなく、オートメーション化され、電動カーもアールスメアで扱う花の80%以上が輸出され、世界各国から注文された花は取引が成立すると直ちにスキポール空港に運ばれ空輸されます。その日の午後にはパリやロンドンの花屋の店先に並べられるわけです。
近年、日本への輸出が急速に増えたのはオランダ側の要請で日本の植物検疫官をこの花市場に置くようにし、オランダで検疫できるようになったためてあるということです。このことによりオランダから日本へ鮮度のいい花々が届くようになりました。
市場の現地視察ではガイドの山口ちまさんとこちらに23年間お住まいで花市場に精通された野川ひろみさんにお願いしました。 因みにバスのドライバーさんはヘンクさんです。
<オランダの花>
オランダ国自体が干拓で乾いていった。
アルスはウナギという意味で昔はここでウナギがとれた。
ミヤとはとれないの意味でウナギが取れなくなったという由来の名がつけられた。
その地に花や木を植えたら植物に適している地質だった。
アムステルダムまでは約30キロ、始まりは1880年代で、ちょっとした規模の市場が初めにできる、その頃にスキポール空港ができる。アメリカと日本への輸出に目をつけ、1999年に今の建物に変わった。
シーボルトが日本の植物も持ってきた。紫陽花などが代表的。和花を改良。下地はシーボルト、東インド会社が付加価値をつけた。オランダが新しい品種をつくり他の国で条件の良いところで生産をはじめた。原料が安い、天然ガスもある。
1日に二千万本出荷する日がある。母の日などは特に多くなるとのこと。 ダイアナ妃が亡くなった時はオランダから白い花が全て消えた。市場に影響している。
2002年にユーロに変わり、その時はかなり値上がりした。 フロリアードと言って10年に一度オランダで開催される国際園芸博覧会がある。 その博覧会で日本業者が上位を占めオランダはショックを受けた。その時日本の花のクオリティの高さに気づいた。オランダは今まで量にこだわっていた。 日本にしかないものなどはこちらでも希少価値がある。 パリなどでは日本の希少価値の花は直で輸入する。例えばクレマチスなど。 オランダのニーズはガーベラ。 デンマークはカーネーション好き。で地域によって色も色々好みがある。 オランダは街がどちらかというと暗いのではっきりした色を好む傾向。 日本とイギリスは好みが似ている。 エリザベスロイヤルカラーといわれる淡いビングやブルーなどが好まれる。 ブルーの花は少ない。日本のりんどうも人気ある。植物の色素で青は作りにくい。 チューリップは2日後でも切り花すれば強い。花を立てたまま運ぶ技術も進んでいる。そのなかでもガーベラは動かしやすい。 ヨーロッパのなかでもこのアムステルダムは日本に対する偏見は少ない。全く感じない。 日本では農業後継者問題があるがこちらはあまりない。 ポーランドやルーマニアからの労働者が多い。 生産者同士が共同組合化され一本化された市場の一箇所がこのアールスメア。
画像のように競りは300席あり、花が入ってくるとはじまる。5c4ユーロ 競り落とした人の番号が正面の表示板にでる仕組み。 生産元や国、生産者などのデータが画面に表示される。 検査官が抜き打ちで検査し、その花の状態などコメントで表示板に表示され、1時間で一千件の取引がなされる。 1日二千万本。年間5千億。140ヶ国へ輸出し、60ヶ国から輸入する。日本への輸出シェアは約3%、ドイツが80%を占めている。
ロシアまではトラックで二週間くらい、それに耐えられる花を選ぶ。 技術の進歩で機械化、合理化が進んでいる。 トルコやモロッコ人も多いがどちらかにしないと仲悪い。市場は現地人より外国人が多い。面倒なことも良くやるから外国人が好まれる。 花々を運ぶカートが場内を規則正しく運んでいる様子は見事なものです。市場では約4500人もの人々が従事してる。 スキポールとアムステルダムの間にあるスキフェーンというところに日本人は多く住む。日本人約6000人在住。
花がテーブルにない家は完璧ではないと言われるほど花を愛おしむアムステルダムの人々の様子がこの市場からも感じ取ることができました。
次の視察ポイントへの移動中、アンネの日記で有名なアンネフランクが13歳から15歳まで隠れ住んでいた家の近くを通過した。ドイツのナチスから迫害を受けた当時の様子がどの様だったかは今の穏やかなオランダの街並みからは想像もできない。バスからアンネの像も見ることができたがとても小さく細く感じました。 また、移動途中、17世紀の偉大な画家、レンブラントの像と風車の前で記念撮影をしました。