静岡県の中部電力浜岡原子力発電所の運転再開の是非を問う住民投票の実施を定めた条例案について、静岡県議会9月定例会の本会議で採決が行われ、市民団体が提出した原案と、一部の議員が提出した修正案が、ともに否決となりました。
私は、この原案と修正案ともに反対致しました。
この条例案は、浜岡原発の運転再開の是非について、市民団体が18歳以上の県民による住民投票の実施を求めてことし8月、16万人余りの署名と共に静岡県に提出し、川勝知事が賛成意見を付けて静岡県議会に提案していました。
この条例案を巡っては、県が、条例案の投票資格や実施時期に不備を指摘したことから、一部の議員が修正案を提出し、静岡県議会の本会議で、原案、修正案ともに採決が行われました。
私たち民主党・ふじのくに県議団では、原案は多くの条例上の不備があり会派として全所属議員が否決を決め、そのことに伴い修正案提出の考えを示す議員と、その必要無しという議員に分かれたため、修正案については自主投票となりました。
そして、採決が行われた結果、原案は県議会の65人の議員全員が反対し、修正案は賛成17、反対48でいずれも否決されました。
私は、この投票後の報道で、「民意が汲みとられなかった」と評された厳しい記事を見て、地方自治法や公職選挙法で市民県民の負託を得た代表である私たちの責務の重さを改めて痛感した次第です。
しかし、そもそも国の政策である原子力行政について、法的拘束力のない、この住民投票の意義に当初から疑問を感じていました。純粋に福島第一原子力発電所の事故を目の当たりに、不安を感じている県民がいかに多いか、知事や私たち議員が、県民の安全第一を最優先して県議会で議論していることが、県民の皆様に届いていないことを痛感致しました。
そして、現在、浜岡原子力発電所の運転再開への動きの無いなか、また原子力規制委員会が設置されたばかりの状況下を考える時、住民投票は判断材料に欠け、約13億円もの税金を掛けることを了承したとしても時期尚早と判断致しました。
修正案については、あまりにも修正箇所が多く、むしろ全く別の条例案と言っても過言ではありませんでした。これには、50%以上の投票率に達しないと開票されないことなど、再稼働を阻止するためには、あまりにもハードルが高く、16万余りの署名者の意思と大きく掛け離れていると判断し、この修正案に対しても反対致しました。
この中部電力浜岡原子力発電所の問題につきましては、皆様の付託を受けた為政者として、多くの情報収集をはじめとして、浜岡や福島等の原発現地視察を重ね、更に調査研究をしっかり行い、今回の16万人余りの署名を受け止め、370万県民の為に県としての方向性をしっかり示し、県民を正しい方向へリードできるよう全力を尽くしてまいります。