◎2010年度予算案、暮らしはどう変わる?
25日に決まった国の来年度予算の政府案が国民の暮らしに与える影響のうち、子育ての支援では、来年度から始まる子ども手当は、今の児童手当とあわせて、中学生までを対象に1人当たり月額1万3000円を支給します。
また、生活支援関連では、所得の低い母子家庭を対象に支給している「児童扶養手当」は、母親のいない父子家庭にも来年8月分から支給されることになり、50億円が上積みされました。
生活保護を受けながら、親が1人で子育てしている世帯に支給されてきた母子加算は、今月から再開されていますが、来年度も続けるために183億円が盛り込まれました。
高校の授業料では、国公立高校の場合、授業料に相当するおよそ12万円が無償化されます。
私立高校については、年収が250万円未満の世帯の場合はおよそ24万円、年収が250万円から350万円未満の場合はおよそ18万円、年収が350万円以上の場合はおよそ12万円が、都道府県を通じて高校側に支給されます。
次に医療関連では、医師不足などに対応するため、診療報酬全体の改定率を0.19%引き上げます。診療報酬は、税金と保険料、それに医療機関の窓口での患者の負担から成り立ちます。
診療報酬が引き上げられれば、国民負担も増えることになります。厚生労働省の推計によりますと、今回の改定が実施されれば、中小企業の平均的なサラリーマンの年収374万円の場合、本人が支払う保険料は年間で285円増えます。
また、患者が医療機関の窓口で支払う金額は、3割負担の人で、外来の場合、1か月当たりにすると平均で7.8円増えることになります。
また、子宮けいがんや乳がんの検診率を上げるため、5年ごとに女性の自己負担を免除する費用として、76億円が盛り込まれました。
環境対策では、住宅に太陽光発電装置を設置する場合、標準的な3.5キロワットの設備では24万5000円を補助します。また、電気自動車とプラグインハイブリッド車を購入する費用の一部が補助の対象となります。
次に、税制では、ガソリン税などの暫定税率は、制度は廃止されますが、一方で、暫定税率分を維持する措置が取られるため、来年度以降も実質的に今の税率の水準は維持されます。
自動車重量税は、新車登録から18年を超える古い車を除き、燃費などの性能に応じて今よりも税率が軽減されます。
扶養控除では、16歳未満の子どもを対象にした扶養控除は、来年度から子ども手当が支給されるのに伴い、廃止されます。
学費負担を考慮して16歳から22歳までにより多くの控除が認められている特定扶養控除は、来年度から高校の授業料が実質無償になるのに伴い、16歳から18歳の控除が縮小されます。
扶養控除の見直し時期は、所得税は再来年の平成23年1月から、住民税は、その翌年の平成24年6月からです。
たばこ税では、来年10月から1本当たり3.5円増税し、小売価格で1本5円程度値上げされる見通しになりました。20本入りのたばこ1箱では100円程度の値上げになります。
また、親などから住宅資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置が拡充されます。年間の所得の合計が2000万円以下の人を対象に、非課税枠は今の500万円から来年は1500万円まで拡充され、再来年は1000万円までとなります。
※NHKニュースより