総事業費は土砂の撤去を含め27億円。完成した砂防堰堤はコンクリート製で高さ13m、幅59m、約1万800m3の土砂の受け止めが可能といことです。難条件の中、無人化施工やICT(情報通信技術)といった先端技術が活用されたとのこと。
【令和4年11月熱海市議会定例会本会議で私の質問に対するの齊藤市長の答弁】
・熱海市が公表した熱海市伊豆山土石流災害に係る熱海市の見解及び対応について
・災害対策基本法第63条に基づく警戒区域の見直しについて
・国が進める砂防堰堤(新砂防ダム)と赤井谷行政代執行の進捗状況を伺う
【壇上答弁】答弁者:市長
私からは、伊豆山土石流災害の今後の対応等についてのご質問のうち、熱海市伊豆山土石流災害に係る熱海市の見解及び対応について、ほか2件のご質問に答弁いたします。
令和3年7月3日に熱海市伊豆山地区で発生した土石流災害により、かけがえのない多数の命が奪われたことは、誠に痛恨の極みであり、哀惜の念に堪えません。
議員ご案内の総括につきましては、発災から約1年と5カ月の時間が経過し、まとめるまでに相当の時間を要してしまったことにつきまして、大変申し訳なく思っております。
私の思いとしましては、今後二度とこのような災害を起こさないことが極めて重要であると考えており、総括にまとめさせていただいた再発防止策の実施に全力で取り組んでまいります。そして、安全・安心の確保、被災された皆さまの生活再建に資する速やかなインフラ整備、そして歴史あるこの地域の創造的復興といった、伊豆山復興まちづくり計画の示す将来像を速やかに実現すべく、伊豆山地域の復旧・復興に全力を尽くして参りたいと考えております。
次に、災害対策基本法第63条に基づく警戒区域の見直しについてのご質問に答弁申し上げます。
令和3年8月16日に設定した、災害対策基本法第63条に基づく警戒区域は、災害の発生により、人の生命又は身体に対する危険を防止するため、特に必要があると認められる場合に、市町村長が設定するもので、区域への立ち入りの制限、禁止等を命ずることができるものです。これにより、区域内に居住されていた皆様には、長期にわたり応急仮設住宅などでの避難生活をお願いし、ご不便ご苦労をおかけしております。改めまして皆様には、ご理解・ご協力をいただき感謝申し上げます。
これまで警戒区域の解除については、国や県などの関係機関、関係部局と安全性の確保についての議論を重ねてまいりました。
解除にあたっては、現在、国が行っている新設堰堤が完成し、また県が行っている行政代執行による土砂の除去が終わり、一定の安全性が確認された後に、国、県などの意見を伺いながら、判断いたします。現在は、令和5年夏の終わり頃までには警戒区域の解除ができるものと考えております。
以上のことから、警戒区域全体の安全確保が解除の要件と認識しておりますので、現在は、少しでも早く警戒区域の解除や工事に関する見通しについて、お示ししたいと考えております。また、警戒区域が解除されても、河川や道路、ライフラインの整備が完了したところから、順次、戻っていただくことが想定されますので、ご理解・ご協力賜りますよう重ねてお願い致します。
最後に、国が進める直轄砂防災害関連緊急事業と赤井谷行政代執行の進捗状況について答弁申し上げます。
始めに、国が進める直轄砂防災害関連緊急事業の進捗状況でございますが、令和3年7月20日に事業に着手し、ネットロール土のう及び仮設ブロック堰堤を設置し、昨年12月24日に既設堰堤の除石が完了いたしました。その後、新設堰堤の施工に着手し、本年9月16日に本堰堤が完成いたしました。現在は、副堤、垂直壁を施工中であり、令和4年度中の工事完成の予定と伺っております。
次に、赤井谷行政代執行の進捗状況でございますが、本年8月1日に、県が旧所有者に対し措置命令を発出しましたが、期限までに履行されなかったことから、10月11日に行政代執行が開始されました。行政代執行開始後、草刈り、測量を行い、現在は伐採や工事用道路の施工を行っております。令和5年5月頃の雨季前までには、不安定土砂の撤去を行い、令和5年度末までには、撤去した土砂の処分を完了する予定と伺っております。
私からは以上でございます。