次に市職員の天下りについてお尋ねいたします。
先般、総務省が発表した2009年の労働力調査の詳細集計の速報によると、完全失業者は336万人で、2008年に比べて71万人増となり、上昇幅は過去最大です。このうち、過去1年間で正規の職員や従業員から離職した人は80万人に上り、2008年に比べて22万人も増加しています。そこで、このような厳しい社会情勢下をよそに、まるで特別待遇とでも言いましょうか、このような社会の厳しさなどはおかまい無しに優遇されている市退職職員の外郭団体への天下り問題については市民の政治に対する不信感・不公平感をなくす為にも改善されなくてはなりません。既にこの件につきましては本議会でも再三質問を繰り返してまいりました。そして平成19年1月に一定の基準が設けられたわけですが、その内容は、特別に市民の理解を得られるように、透明化を図り厳しい基準を設けたというものではありませんでした。現在、退職職員が天下っている外郭団体へ市から年間多額の委託料や補助金が支出されておりますが、天下りと補助金との関係を市民はどのように感じていると当局はお考えでしょうか。
当局から提出されました資料を見てみますと平成21年度で補助金99,540千円、委託料210,241千円、合計で309,781千円ものお金が外郭団体へ支出されているのです。そこでまずお聞きしますが、前述した民間の厳しい就職状況に加え、生活保護率の急上昇、困窮している社会の就職情勢を考えると税金を管理する立場として、また、市民の手本となる立場としても市退職職員の外郭団体への天下りを現状のまま放置しておくべきではなく、この仕組み自体を廃止することは当然であると思うのですが、なぜ廃止にできないのかお答え下さい。ちなみに前年度は何名天下ったのか教えて下さい。そして、退職予定職員についての推薦基準については、その網の目をかいくぐる勧奨退職の市職員が出てくる可能性について当局はどう考えるのか、このような市民の心配がなされないように、外郭団体への斡旋をキッパリ廃止すると決める気持ちはないのかお答え下さい。
(櫻井副市長)
私からは市職員の再就職についてお答えいたします。市の職員が退職後いくつかの団体に就職しているのは事実ですが、それは当該団体からの依頼に基準に基づきまして団体へ職員を紹介しているので天下りだとは考えておりません。平成21年3月退職者の団体等への就職は2名、現在市職員OBが雇用されている団体への補助金と委託料につきましては先ほどの数字に間違いはありませんが、職員の人件費を算出根拠としているものは社会福祉協議会に対する補助金2490万6千余円のみでございます。市職員のOBに対するものは250万円、これ以外の補助金と委託料につきましては運営費補助金や業務委託料として支出されており、市職員OBの存在そのことや委託の内容や金額に影響を及ぼすものではなく、このような実状でありますので時代に基づく退職職員の紹介をやめるつもりはありません。また勧奨退職の就職につきましては市が関与しておりませんので見解を申しあげる立場にはありません。