3月定例議会の議事録を記載いたします。
この件につきましては、今までも根本的な大学との係わり方の問題点について指摘し、いわゆる契約不履行の危険性が充分感じられたため再三にわたる提言と質問を繰り返し行ってまいりました。昨年6月議会で、小泉市民福祉部長が一昨年の1月と11月に市長自ら福祉大理事長と直接交渉を行った結果、建設実現に向けて前向きな回答をいただいき、覚書等の取り交わしは行わずに、毎月定期的に進捗状況を確認して来たと述べ、理解願いたいというこというご答弁でした。しかし、大学自ら公募に手を挙げたにもかかわらず、遅れることへの市の対応の甘さを再質問すると、櫻井副市長は「当然これからもしっかりと話を進めなくてはならない。ただ、そのなかで中止をした場合はどうだとか、その辺のところまで現在考えておりません。それをやっていただくのは当然ということで考えている」という何とも市民目線からかけ離れた残念な事務的答弁でした。
結局、結果は心配していた通り、大変遺憾なことに国際医療福祉大学は、文部科学省の認可が困難になったとして、本年2月4日付の文書にて「事業者としての地位を返上したい」と一方的に本市の状況など一切考慮せずに施設の開設を断念する意向を示してきたわけです。
そこでお聞きしますが、昨日の同僚議員と重複いたしますが、重大な案件ですので、市は国際医療福祉大の老健施設の建設断念についてどのような対処をするつもりなのでしょうか。市民への影響はどのようなものであり、老健施設の遅れに対する市民への責任をどのように考えているのかお示しください。
また、市民のお金約40億円以上もの税金が投入されたのにもかかわらず、国際医療福祉大の言いなりになっていることに対して今までなぜ毅然とした態度で望めなかったのか市民に分かるようにお答え下さい。
そして、以前の本会議で改めて正式な老健施設建設にあたっての契約書もしくは覚書を交わすべきと提言したが、なぜ交わさなかったのか、このことについても市民に分かるように教えて下さい。
そして、市はこの大学病院に対し現在、固定資産税の減免という格別な対応をしていないかお答えいただきたいと思います。
齊藤市長答弁
この度の大学側からの辞退の申し出につきましては、誠に遺憾であり、直接、理事長に対し、辞退の撤回を含め、老健施設の建設・開設に向け改めて強く要請してまいりました。しかしながら、学校法人の国の所管庁である文部科学省の承認を得ることが、困難であること、またこのような状況が今後長引くことにより老健施設の利用を待ち望んでいる市民の皆様への影響が大きいことなどを考慮したうえで、辞退の申し出を了承いたしました。
まず大学側に対し、市として今後どのような対応を考えているのかとのご質問でありますが、民事訴訟を含めた特段の措置は考えておりません。
市の顧問弁護士ともそうだんいたしましたが、開設事業者としての決定は法に基づく行政処分ではないことや、市が損害を受けたという具体的な金額が明確でないことなどから、民事訴訟については、困難であるとの見解であり、市といたしましても大学病院側との関係を悪化させるようなことは、市民への影響も大きいとの判断によるものです。
二点目の市民への影響につきましては、現在市内1箇所の老健施設(伊豆山翔寿園)で申し込み状況が10名前後となっておりますが、老健施設は病院を退院後に、在宅に戻るためのリハビリが必要な方が入所する施設であることから、入所対象者につきましては申込みに至らない多数の方が存在すると考えられます。
三点目の市民への責任につきましては、老健施設につきましては第4期熱海市介護保険事業計画に基づき、平成23年度中の開設に向けた計画に変更はありません。したがいましてこのことが実現することが市民の皆様に対する市としての責任であり、新年度早々に新たな開設事業者の公募に着手していく所存であります。
四点目の国際福祉大の言いなりになっているとのご指摘ですが、この点は事業者を決定した平成16年の時点で契約の締結を行なわなかったことが現実的な~~市の対応は大変甘かったと言わざるを得ません。
改めて正式な契約書をわせなかったのも公募の際の整備条件に契約締結事項が盛り込まれていなかったことが挙げられます。
しかしながら、本市における老健施設整備という大きな事業を推進していくうえで契約の締結は必要不可欠である考えますので、今後新たな開設事業者が決定した際は覚書をはじめとした正式な契約をしっかりと取り交わす所存であります。
最後に「大学病院に対する固定資産税の減免」についてのご質問ですが、地方税法に定められた固定資産税の非課税範囲の規定により、学校又は専修学校に係るものにおいて、直接その用に供する固定資産税を非課税としております。なお、当然のことながら非課税に該当していない部分につきましては課税の対象となっております。したがいまして、ご質問にあるような、市の独自の判断による固定資産税の「減免」措置の適用は行っておりません。