6月25日・26日の両日に実施した静岡県議会産業委員会の県内視察報告の続きです。
水産技術研究所浜名湖分場と浜名湖体験学習施設「ウオット」について要点をご報告いたします。
まず、水産技術研究所浜名湖分場です。
この研究所は名前の通り浜名湖の水産資源に関する研究を行っています。
シラスウナギの漁獲は4期連続で不漁で終了となり、また、アサリは著しい不漁のために今シーズンの潮干狩りの中止を余儀なくされました。
このような水産資源の減少は県内産業に大きな影響を及ぼしますが、これらの現象に関する試験研究機関の取り組みを視察いたしました。
また、平成12年の浜名湖分場移転に併せて整備された浜名湖体験学習施設「ウオット」の見学も実施致しました。
浜名湖分場は、職員数8名(研究員7名、事務職1名)で現在の運営は指定管理者制度が導入され日本海洋調査㈱によって運営されています。
現在、新成長戦略研究である「新たなウナギの産業の創出」(研究期間平成25~27年度)ということで熱帯産異種ウナギの養殖技術の確立による新たな産業の創出とニホンウナギの生息状況等の解明による養鰻業の経営安定化を研究目的に据えています。
この研究にはプロジェクトチームが組まれており、構成期間は、県、浜名漁協、浜名湖養魚漁協、静岡うなぎ漁協、協力機関として、北海道大学、九州大学となっています。
田中眞所長にご説明いただき、本県の水産業は全国でも上位で漁業生産量で5位か6位、静岡県の海岸線は他の県に比べて非常に長く約500キロの海岸があり、浜名湖の海岸線を含めると600キロになる。この長い海岸には違いがあり、磯や岩礁が発達した伊豆半島、深い駿河湾があり、西は広大な砂浜、浜名湖は海水と淡水のまじわるところ、色々な漁業が発達し、魚種も豊富です。
水産技術研究所は多彩な魚種を支えているわけですが、本所は焼津にあり、下田市に伊豆分場、富士宮市に富士養鰻場とここで、本所1で分場が3箇所と言う形。
焼津は遠洋漁業沖合漁業、沿岸のしらすや桜エビ、魚が遠洋で多くの魚が入るので水産加工業が盛んでそういう研究が進んでいる。
伊豆分場は岩場が多いのでサザエやアワビ、海藻などの研究、それと伊豆は金目鯛がたくさん獲れるので金目鯛の研究もしている。
富士養鱒場については、文字通り鱒の研究、全県をカバーする河川の漁業などの研究をおこなっている。
浜名湖分場は、アサリ、ウナギや車海老だとかの研究です。値域に応じた、地域に根差した研究を進めている。
新たなウナギの産業の創出のねらいはウナギに関わる産業全体の経営安定とウナギの消費拡大を目指して、現在利用されているニホンウナギ以外のウナギの養殖技術を開発するとともに、本県に来遊するシラスウナギや天然水域に生息するウナギ資源の実態解明をおこなう。
また、ウナギの催熟技術高度研究では、平成24年度の成果として、これまでに従来から使用しているサケ脳下垂体抽出液を用いた催熟(人為的に成熟させること)に加え、新たに開発した成熟誘導ホルモン2種類をそれぞれ用いた催熟を行い、サケ脳下垂体抽出液とは異なる成熟特性を見出した。今後は人為催熟技術、安定採卵技術の高度化により、仔魚の育成実験に不可欠な受精卵を安定的に得ることができ、本プロジェクトの研究全体の効率化な推進が図られ、シラスウナギの量産に繋がるということです。
今後は、新たに開発した成熟誘導ホルモン2種類について、それぞれの投与量、混合割合、投与時期を変えて催熟実験を行い、ふ化率の高い、良質な受精卵が得られる催熟方法を開発していくということでした。
この研究が進み、静岡産のウナギが量産され、更に美味しいウナギが安価な価格で食べられるようになることを夢見て、また全国に、いえいえ全世界に日本産の美味しいウナギが輸出されるようになるその日を期待して待ちたいと思います。
また浜名湖体験学習施設「ウオット」も視察し、「ウオット」は平成17年から指定管理者制度にし、昨年一昨年は入館者増え、昨年は8万1千人と増えている状況でした。
浜名湖体験学習施設「ウオット」のホームページご覧ください。高校生以下無料です!!