厚生委員会視察報告Part5、7月17日に訪問した「熱海ふれあい作業所」についてご報告致します。
熱海ふれあい作業所は、平成25年度の工賃実績が県内トップ(41,720円)となった障がい者就労施設で、障がいのある方の自立に向けた働く場の支援に積極的に取り組まれており、熱海市からの委託を受けて、ビンの選別や収集等を行っています。
県や市町において、障害者就労施設等の発注拡大を図っているところではありますがなかなか工賃アップに繋がらない状況も窺えます。
今回は、施設の運営状況や就労支援等、障がい者雇用を進める上での課題について調査をおこないました。
ご対応いただきました方は、NPO法人熱海ふれあい作業所理事長岩瀬輝美様、所長田村進一様、サービス管理責任者荻沢洋子様、目標工賃達成指導員髙橋信雄様、職業指導員土屋実様、生活支援員秋庭好江様です。
岩瀬理事長のご挨拶では、障がい者には、身体の障がい者、知的の障がい者、精神の障がい者と3つの障がい者がありますが、当施設では3つの障がい者がお互いの障がいを助け合いながら、同じ作業を共にしていて静岡県下でもとても少ない作業所であります。と述べられ、続いて施設の概要説明を田村進一所長がしてくださいました。
主な質疑応答は下記の通りです。
Q 工賃アップのために工夫している点、課題は何か。
A この作業所は知的、身体、精神の障害者が一緒に同じ作業ができることが自慢である。利用者がお互い助け合って作業をしている。現在、市からの委託事業が収入の柱となっているが、新たな仕事を開拓する必要も認識している。
Q 利用者の平均年齢は。
A 約50歳である。昨年から給食事業を開始して、栄養管理の面から健康にも配慮している。
Q 法人を支える職員の給与体系は。
A 全般的に福祉職は給料は低い。
Q 回収したビンの処理方法は。
A 生きビンと呼ばれるものは売却して法人の収入となる。その他は色分けをして処理業者に有料で引き取ってもらっている。
Q 利用者の状況はどうか。この作業所の土地は。
A 勤続20年になる人が2人いる。若い人は一般就労を目指すが、実際に一般就労できるのは年に1人くらいである。この作業所の土地は市から無償で貸与されている。
質疑応答のあとで、利用者は生活保護を受けている人がほとんどであるが、一生懸命働いて工賃をアップすると、今度は生活保護の手当てがカットされてしまう。国の制度ではあるが、改善に向けて御協力いただきたい。という要望がありました。
この後、作業の様子等視察させていただきました。