平成24年3月20日に静岡県が主催した「静岡がん会議2011」が長泉町の静岡県立がんセンター研究所にて開催されました。
ブログでの報告が遅れましたが、ご報告したいと思います。
また、がん会議2011の翌日に民主党・ふじのくに県議団にて今度は県立静岡がんセンター自体の視察等を行いましたので、その状況も併せてご報告いたします。
まず、「静岡がん会議2011」は、岩瀬洋一郎静岡県副知事の挨拶で始まり、来賓として「HOPEがんのないモンゴル財団エルデンエルべグドロジ専務理事の祝辞をいただき、続いて実行委員長の静岡がんセンター山口建総長の挨拶がありました。
静岡県では、静岡がんセンターを中核として、革新的ながん診断装置・診断薬の研究開発の拠点化を進め、国際競争力を有する製品を迅速に世界へ提供するとともに、医療機器や部品・部材を提供する地域企業による産業クラスターを形成するためのプロジェクトを展開しています。この度、国に申請した「ふじのくに先端医療総合特区」が、国の地域活性化総合特区に指定され、今年度の「静岡がん会議2011」では、「地域活性化総合特区指定記念 がん医療と最先端の医療・介護ロボットの技術開発」をテーマに手術支援ロボット“ダ・ビンチ”を活用している国内外の医師や医療・介護ロボット等の技術開発をされている研究者の方をお招きして医療健康産業の現状と将来についての講演が行われました。さらに静岡がんセンターでの研究開発と最先端の医療提供についての取り組みが紹介されました。
はじめに「ふじのくに先端医療総合特区」について静岡県経済産業部商工業局新産業集積課の小櫻充久課長から説明があり、指定により、規制緩和、財政支援、税制支援、金融支援といった国からの支援が受けられ、今後はこれら支援を活用して一層のファルマバレープロジェクトの推進に努めていくということです。
また、特区を活用した拠点整備ということで、24年度の当初予算にも計上された旧長泉高等学校の活用策が検討されることになっています。
セッションⅠでは「手術支援ロボット“ダ・ビンチ”による治療の最前線」と題した講演で
講演1として、「静岡がんセンターにおける胃がん・大腸がんの治療の取り組み」について静岡がんセンターの寺島雅典胃外科部長、絹笠祐介大腸外科部長が立たれ、
講演2は「韓国における胃がん・大腸がんの治療の現状と将来の展望」と題してヒョン ウジン延世大学医科大学外科准教授とミン ビョンソ延世大学医科大学外科助教授による講演が行われました。
講演3では、「消化器癌に対するロボット手術の最前線」と題し、藤田保健衛生大学上部消化管外科の宇山一朗教授の講演、
講演4は「早期前立腺がんにおけるロボット支援前立腺全摘術の現況」で東京医科大学泌尿器科の大堀理教授の講演が行われました。
どの講演も専門的な医療技術の内容で、詳細は良くわからない点もありましたが、どの講師の先生もスーパードクターと呼ばれる皆さんです。
午前の部だけで午後1時までかかりましたが、不断慣れていない手術の映像が多く、昼食は少々気分がすぐれませんでしたが、支援ロボットの効果は私たち素人がみても非常に大きいと感じ、手ぶれ効果や3Dの映像などで手術ができるということでした。今まで人間ではできなかった動きをロボットは可能にしてくれたということと、思い通りの動きをしてくれるということで医師の皆さんのテクニックは求められるのですが、使いこなすと手術時間や治癒においても非常に効果が大きい様です。
午後は特別講演として「最先端フォトニクスによる高精細映像を用いた遠隔医療の実現へ向けて」と題した慶応義塾大学フォトニクス・リサーチ・インスティテュート当麻哲哉副所長の講演、
セッションⅡに移り、「医療・介護ロボット等の技術開発」①として、「画像診断支援ロボットの開発」は、静岡がんセンター遠藤正浩画像診断か部長の講演、
講演6として、「ハイパースペクトル・イメージャーの医療機器への応用」では、早稲田大学理工学術院宗田孝之教授の講演、
セッションⅡ、「医療・介護ロボット等の技術開発」②では、講演7として、「“力覚・触覚を伝えるロボット技術”が開く未来」慶應義塾大学理工学研究所総合デザイン研究員の山之内亘G-COE研究員の講演。
講演8は、「介護支援ロボット“RIBAⅡの開発 」と題した東海ゴム工業株式会社独立行政法人理化学研究所郭士傑チームリーダーによる講演が行われました。
なかには、自分には説明を伺ってもよくわからないものもありましたが、医療の技術の進歩は驚くほど進んでいることが分かり今後の研究開発の成果が楽しみである事ことと、医療健康産業がますます成長する産業であることが良くわかりました。
また21日の民主党・ふじのくに県議団の視察では、前日に勉強した手術支援ロボット“ダ・ビンチ”や陽子線治療の装置、外来通院治療センターなどを視察させていただきました。
ファルマバレープロジェクトについては山口建総長からお話を伺い、通院治療センター、手術室、陽子線棟、研究所の視察をさせていただきました。
県立静岡がんセンターは2002年9月6日に診療を開始し、研究所は2005年11月1日に開所しました。
2007年7月2日には治験拠点病院として認可されています。
用地取得も含め2010年までの事業費合計は病院関係、機器関係併せておよそ735億円です。病床数は615床。(一般病棟505・緩和ケア病棟50・血液幹細胞移植病棟33・GICU28)
2011年6月1日現在の職員数は医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師など1696名。
このファルマバレープロジェクト、対象地域に熱海市や伊豆半島はなぜか含まれていない。
ただ、今後の計画のなかの戦略3で健康サービスが充実し高次元都市機能が集積したまちづくりのなかで、観光資源を組み合わせた健康サービスと癒しの提供を図ることとしている。
そのなかでは、1.特色ある健康サービスによる癒しの提供 ・健康増進と癒しを提供する伊豆温泉宿ネットワーク「かかりつけ湯」の取り組み促進などが挙げられています。その計画が具体的なものとなるように実現に向けて私も全力を尽くしてまいります。