令和3年12月17日、熱海市議会は、最終本会議を開き、令和3年度一般会計予算など当初提出案件、9月定例会からの継続審査案件に加え、同日追加上程された市当局からの固定資産評価審査委員会委員の選任の同意案件2件、人権擁護委員候補者の推薦の諮問案2件、議会側から盛り土に関する規制強化を求める意見書の発議案1件、計27案件をいずれも全会一致で原案の通り承認、可決しました。
盛り土に関する規制強化を求める意見書
令和3年7月の東海や中国、九州地方を中心とした梅雨前線の影響による記録的な豪雨は、各地で河川の氾濫や堤防の決壊、土砂災害等の被害をもたらした。中でも本市で発生した大規模な土石流は、多くの住宅等を飲み込み、多数の死傷者を出すなど、甚大な被害を発生させたが、土石流の起点付近に確認された大量の盛土の大部分が崩壊、流出したことが被害を拡大させた要因であると考えられている。
盛土の造成は、宅地造成等規制法や都市計画法、森林法などにより、目的や場所によって規制されるが、法令の規制対象外であるものは、崩落、流出による災害の防止のため、一部の地方自治体では条例により規制を行っている。
しかし、条例の内容や罰則等に差があるほか、罰則には地方自治法で上限が定められていることから、より規制が緩やかな所に盛土の造成が集中するなど、地方自治体ごとの規制には限界がある。
また、最終的な解決手段として、放置された土砂などの撤去や排水施設の整備等を行政代執行により行うことがあるが、自治体の財政的な負担は非常に大きい。
自然災害が頻発化、激甚化する中、盛土の流出や崩落による災害を防止するためには、全国統一の安全基準や違反時の罰則などを定める法制度が必要不可欠である。
よって国においては、盛土に関する規制強化を図るため、下記事項に取り組むよう強く要望する。
記
1 盛土の流出や崩落による災害を防止するため、新たな法制度を整備すること。
2 盛土に関する全国統一の安全基準を定めるとともに、その違反行為に抑止力のある罰則規定を設けること。
3 地方自治体が行政代執行を行う場合に、自治体の負担を軽減するための財政支援制度を創設すること。
以上、地方自治法99条に規程により意見書を提出する。
令和3年12月17日 熱海市議会
※画像は、最終本会議にて総務福祉教育委員会の委員長報告の様子です。