ニュースによると政府は8日、財政出動5兆500億円の新たな経済対策を閣議決定した。国会審議で協力を得たい野党や連立相手の国民新党に配慮し、総額1兆円規模となる公共事業を中心に地方に重点配分するのが特徴。支出に伴う民間資金などを含めた事業規模は21兆1000億円。向こう1年で国内総生産(GDP)を0・6%程度押し上げ、45~50万人程度の雇用の創出・下支え効果を見込むという。
政府は月末にも経済対策を盛り込んだ平成22年度補正予算案を臨時国会に提出。経済対策に一定の理解を示す公明党などを念頭に「野党の協力を得て補正予算を成立をさせたい」(菅直人首相)としており、会期中の成立を目指す。
今回の経済対策は、9月に決定された予備費9179億円を活用した対策に次ぐ第2弾。(1)雇用(2)成長戦略推進(3)子育て・福祉(4)公共事業・中小企業対策(5)規制改革-の5分野が柱となっている。
個別項目としては住宅エコポイント制度の対象を住宅設備にも拡大▽レアアース(希土類)の代替品開発▽3500億円規模の新たな地方交付金を創設▽子宮頸がんワクチン接種の支援策-などを盛り込んだ。
財源には22年度税収見込みの上ぶれ分約2兆2000億円や、低金利により国債利払い費の不要分約1兆4000億円などを充て、新たな国債発行は行わないと記載されていた。